マナーうんちく話509≪「女しぐさ」と「男しぐさ」≫
地域社会に貢献し、今や日常生活に必要不可欠なコンビニは、多彩な商品やサービスを提供しながら、全国に約55000店存在します。
では昔から日本にある「お寺」や「神社」はいかがでしょうか?
お墓参り、観光や旅行、法事や葬式、そしてお宮参りや初詣などで、お寺や神社を利用するのが殆どでしょうが、恐らく年間数回程度ではないでしょうか。
しかし日本にはお寺は75000以上、神社は85000以上存在します。
日本人にとって最もなじみが深く、心のよりどころだったわけです。
ではその明確な違いがお判りでしょうか・・・。
仏教と神道といった異なる宗教の建物ですが、簡単に触れてみます。
【お寺】
6世紀ころに伝来した仏教の宗教的装置として建てられ、墓や仏像、本堂や講堂などがあります。聖職者は「僧」で、仏教の修行に勤しみ、経を読みます。
さらにお寺やお墓の管理も担当します。
ちなみに仏教は釈迦が教祖で、キリスト教やイスラム教と共に、世界3大宗教の一つです。
葬儀や法事、加えて仏教の布教施設の要素が強いようですが、もともと僧が仏教の修行の場としたところで、教育や文化施設でもありました。
現世と死後の幸福を願います。
【お宮】
寺院に大きな影響を受けた神社は、神道に基づく神々が宿る神聖な場所です。
ちなみに神道は日本独特の宗教ですが、教祖も経典もありません。
「このようにしなさい」という教えがないので、「教」ではなく「道」という字があてられたわけです。
八百万(やおろず)の神が祈りの対象ですが、八百万とは実際の数ではなく、非常にたくさんという意味です。中でも天照大御神(天照大神)は、日本神話に主神として登場する神で、日本国民の総氏神とされています。
聖職者は「神職」ですが、社務全般や祈祷や祭事を執り行います。
寺院のように神職が修行する場ではありません。
ひたすら感謝と祈りですが、現世の幸福を願います。
私たちは日頃からよく「神様」「仏様」と口にしますが、いずれも大変ありがたい存在であることはまちがいありません。
だからお宮や神社に行けば、仏様や神様のご加護を祈って拝むわけですね。
「仏に刻めば木も験あり、神にまつれば石も祟る」という言葉があります。
何気ないただの木でも仏像に彫ればご利益があり、そこらに存在する石でもご神体にすれば、神の威力を表すという意味です。
神様・仏様に対する畏敬の念から生じた言葉といわれていますが、神様と仏様は具体的にどう異なるのか?といえば大変説明が難しいと思います。
例えば新型コロナに対しては、仏教では災害をもたらす数々の悪を制しますが、神道は「払えたまえ、清めたまえ」と言って神様にひたすら祈るということでしょうか。
昔は同じように考えられていたようで、神社とお寺が同じ敷地にあることも珍しくなかったわけですが、明治になって政府が「神仏分離令」を発し、神と仏を切り離しました。
しかし今でも、日本の主たる宗教は神社祭祀(じんじゃさいし)と、仏教の混合とする説が一般的です。
神道と仏教のどちらも信仰する人が圧倒的に多いですね。
また古い家には同じ部屋に「仏壇」と「神棚」があります。
日常生活では、仏教と神道の違いを特に気にしない人がおおいようですが、お寺に行けば頭を下げ、神社に行けば柏手を打ちます。
ごく習慣的なしぐさですが、目には見えない仏様や神様を無意識のうちに頼りにする気持ちが、根付いているのではないでしょうか・・・。