マナーうんちく話1862《「歳を重ねても働けるうちは働く」ことの意義。「高齢期を【幸齢期】にするために⑧」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:超高齢社会に対応するマナー

高齢期の就労にはいろいろな考え方があります。
定年後はゆっくりしたいと希望する人もいれば、できる限り働きたいと希望する人もいます。

ある調査では60歳を過ぎても働きたいと希望する人が圧倒的に多く、70代から80代くらいまで働きたい、働けるうちは何歳であれ働きたいと希望する人が計8割以上を占めるとか・・・。

私も定年後もずっと働いていますが、できれば身体が続く以上は続けたいと願っています。理由は下記のとおりです。

〇いつまでも社会と接点を持ちたい。
仕事を通じ、常に社会の一員であるという自覚はもちたいものです。

〇歳を重ねても稼ぐ力があるという自己満足。
現役の頃に比べれば収入は微々たるものですが、それでも年金以外の収入があれば時には贅沢もできるし、自立を意識できます。
年金問題が話題になっていますが、「稼ぐに追いつく貧乏なし」と言いますね。

〇社会貢献
講演会、研修会講師として様々な講演依頼を受けますが、金額の差はあれ、この場合は有料になります。それとともに地域貢献の一環として「バラ色未来創造大学」「生涯現役幸齢者大学」を主催しています。
こちらはすべてボランティア活動で、収入は参加者の「笑顔」と「役に立ったという喜びの声」です。
既に5年が経過していますが、地域の役に立っているという存在感、喜びを提供しているという満足感、さらに多くの触れ合いは健康寿命に直結することであり、大変有意義なセカンドライフになっています。

〇健康維持
仕事をするということは体も頭も使うし、程良いストレスや緊張があり、凛とした気持ちが保てます。加えて既に来年の秋の講演の依頼もあり、受けた以上はそれに対する責任が発生します。従って毎年人間ドッグを受けたり、インフルエンザ等の予防注射などもして健康管理を徹底するようになります。
「仕事があるから健康、健康だから働く」のいい循環を保っています。

高齢期になっても働く理由は概ね以上ですが、確かに定年後はゆっくりのんびり好きなことをして、優雅に暮らしたいと思う人も多いと思います。

でもいざ毎日仕事をしないで旅行、グルメ、ゴルフなどの連続だったらどうでしょう。
ビールでも、ご馳走でも、旅行でも仕事があるから楽しかったと思います。

これはあくまで私の考えですが、今の日本人は働く時間がとても少なくなったと思います。その分休日が増えレジャー重視志向が強まっています。

加えて自分らしさ、個性、権利ばかりが主張され、《世のため、人のため》という考えが次第に失せてきた感があります。

それで日本人が皆幸せになればいいのですが、最近の日本人の幸福度指数は残念ながら世界でも50位を超えており、お世辞にも幸せとは言えません。

私たちは確かに「企業戦士」だ「エコノミックアニマル」だ「働きすぎだ」といわれながら、がむしゃらに働きました。それが今、あたかも悪かったように言われる時がありますが、大きな誤解だと思います。

みんな一生懸命働き続けてきたからこそ、戦後の日本は復興することができ、経済が豊かになり、栄養状態も良くなり、医療制度や介護制度の充実に結び付いたと思います。しかも恒久平和を貫き平和な社会を築いたお蔭で、人類永遠のテーマである「長寿」を世界に先駆け達成できたわけでしょう。

加えて日本人は昔から「元気で働けること」に大きな喜びを感じられる遺伝子を持った国民だと思います。

さらに世界が絶賛した新幹線にしても、瀬戸大橋にしても、みんなが「和」を大切にしながら、一生懸命働いてきたからこそ成し遂げられた偉業です。

収入は二の次、三の次としても、先ずは働く意義をしっかり認識しながら働くことができたら、高齢期の不安である生きがい、孤独、健康、収入の面でもカバーでき、次世代の良い見本になれそうですね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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