マナーうんちく話126≪水引・熨斗の知識とマナー≫
礼とは社会秩序を保ち、人間関係を円滑に保つために守るべき社会生活上の規範ですが、法律と異なり、捉え方はTPOに応じていろいろ異なります。
例えばお見合いの席での食事で、エビフライをフォークやナイフを使わずに手で持って食べたら相手は不快に感じると思いますが、10日間何も口にしていない人が目の前のエビフライを鷲掴みにして、ガツガツ食べても嫌な感じはしないでしょう。
ただ社会生活上の定まった形式が「礼」と捉えるのであれば、礼をわきまえなかったり、欠いたり、失うことはよろしくないと考えます。
そしてこれには色々な表現があるので簡単に触れておきます。
よく使用される言葉に「失礼」がありますが、礼儀を欠いたり、礼儀は知っているが失っていることです。
ちなみに「失礼いたしました」というのは、相手に対して礼儀を欠いたときに許しを被る言葉で主に目上の人に使用します。
一方同等の立場や目下の人に気軽に謝る時には「失敬」を使うことがあります。
また「無礼」は、礼儀を知らなかったり、礼儀をわきまえない状態で、失礼より程度が重くなります。
さらに「非礼」は礼儀に背くことで、反抗したり、反対する様子で、失礼や無礼よりも程度が悪くなります。
程度の悪さは順に「失礼」、「無礼」、そして「非礼」になるでしょう。
加えて「無礼千万」とは、これ以上ないくらい無礼なことです。
少し趣が異なるかもしれませんが、言葉や態度が丁寧すぎてかえって無礼になることを「慇懃無礼」と言います。
時代の流れでしょうか。
最近はどうも自分にとって都合の良いことばかりが受けているような気がしてなりません。
そして今では「クールビズ」という言葉が主流になりましたが、実は昔もこれと同じような言葉が存在していました。
「6月無礼」です。
旧暦の6月は大変暑いので、少しくらい服装が乱れても容赦しようというものです。
クールビズよりは他者を意識した言葉だと思いますが、如何でしょうか?