マナーうんちく話134≪贈答の基本とマナー≫
もともと子どもはそれなりの能力を秘めています。
それを伸ばすのが親ではないでしょうか?
ではそのために親はどうすればいいのか?
「子は親の背中を見て育つ」という諺が日本にはあります。
ヨーロッパでは「ひな鳥は親鳥のさえずるようにさえずる」といわれます。
いかなる環境で育つか?はこどもの未来を大きく左右するでしょう。
こどもの体と心の成長と永遠の未来は、まさに両親の手の中にあると言えるのではないでしょうか。
子どもと親は同じ遺伝子を有し、同じ場所で生活し、ほとんど同じものを食べるわけですから不思議な事ではありません。
特に母親の存在は大切でしょう。
ナポレオンは「こどもの運命は常に母親にゆだねられる」と言っていますが、その通りだと思います。
「しつけ」の大切さを説いた有名な言葉はまだ沢山ありますが、中国には「慈母に敗子あり」という言葉が存在します。
「慈母」とは慈愛にあふれたお母さんですが、ここでは過保護な母です。
また「敗子」は道楽息子とか親不孝な子どもの意味です。
厳しい家庭には怠け者の召使はいなくて、過保護な家には親不孝の子が育つといわれています。
どうも最近の学校の教育や家庭における躾の在り方を見ていると、このような傾向にある気がしてなりませんがいかがでしょうか?
時代の流れということでしょうか・・・。
しつけを保育所、幼稚園、学校任せにしないで、出来る限り親が自ら行って欲しいものです。
そして若い時の苦労は、銭を払ってでも経験させてほしい気がします。
子が親離れするよりも、親が子離れすることも大切だと思うのですが・・・。
よく似た言葉にこのコラムでもすでに触れましたが「かわいい子どもには旅をさせろ」という言葉があります。
ちなみに「かわいい子」とは顔がかわいい子どもではなく、いとしいと思っている子どものことです。
そして「旅」は、正月や盆やゴールデンウイークのような大型連休に海外旅行に連れていくのではありません。
自由に旅をさせるという意味でもありません。
現在と、この諺が作られた時代とでは旅のイメージが全く違います。
豊かで、便利で、安全な今では意味が通じなくなっているかもしれませんが、交通手段も、食べ物も、寝るところも乏しく、大変なリスクが伴った昔の話です。
今の親は総じて子どもに辛い思いはさせたくない、常に快適の状態で育てたいと願っている人が多いと思います。
またそれが愛情と思っている人も多いでしょう。
こうなると子どもは温室育ちになります。
箱入り娘や御曹司という言葉がありますが、極力他人と接触せずに、家庭で大事に育てられた子どもは世間を知らないでおおきくなります。
加えて外部と遮断すれば免疫力はつきません。
育つ過程ではしつけの行き届いた子も、過保護の状態の子も差は出ないでしょう。
その時点ではテストの差だけが目立ちますが、いったん社会に出ると家庭でのしつけの在り方が表面化してきます。
過保護で育った子は些細な事にも大きなショックを受けかねません。
社員研修に携わるたびにいつも痛感することです。