マナーうんちく話1833《しつけの前に大切にしたい家庭内のコミュニケーション》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:親に身につけていただきたいマナー

日本ではなじみが薄く、あまり耳や目にすることはありませんが、5月15日は「国際家族デー」でした。

家族問題に対する認識を高め、家族関連の問題に取り組む能力を高め、解決に向けた活動を目的として国連が1993年に定めた国際デーの一つです。

ちなみに国際デーとは毎年決められた日に、特定の事項に対して重点的問題解決を全世界の団体や個人に呼びかけるための日です。

家族の在り方は国により様々でしょうが、暴力、差別、貧困のない家族が求められると思います。
そのためには家族の愛情や教育や医療の支援も必要になるでしょう。

日本はいろいろ課題や問題があるにせよ、物が豊かで、平和で、医療や教育水準も高く恵まれた国ですが、幸福度はお世辞にも高いとはいえません。

幸せな家族で満ち溢れた国でもないでしょう。

それどころか、今の日本の家庭は多くの試練や変化に直面しているのではないでしょうか。

長年ホテルで結婚式の仕事に携わってきましたが、ほとんどのカップルは「貧しくとも笑顔の絶えない明るい家庭を築きたい」と抱負を語ります。

しかし現実は家族間の絆は希薄化し、コミュニケーションが不足し、非常にゆゆしき状態に陥っていると思います。
平成から令和に元号が替わっても、この状況は恐らく改善されることはないでしょう。

デジタル機器の発達は計り知れないくらいの恩恵をもたらしてくれましたが、反面デメリットも伴います。

「対話」が減少したことも大きなデメリットです。
家族や友人との暖かい会話はかけがいのないものですが、これがなくなると、いくら便利になっても寂しくなります。

家族間でのコミュニケーション不足がエスカレートしていくと、子どもの不登校や引きこもりの恐れが生じます。

ただ、今は不登校を肯定する人も結構いるようです。
「人生は自由」「学校に行きたくなければいかなくてもいい」「不登校は不幸ではない」など様々な考えがあるようです。

またフリースクール、サポートスクールさらに外国ではホームスクーリングも存在し、学校ではなく家で学習するなど、教育制度も多様化してきていることは確かですね。

加えて従来のように宿題も、クラス担任も、中間テストも、期末テストもやめる学校が出現し、学校の在り方も大きく変わろうとしています。

そして学校へ行きたくなければいかなくていい、多様性を認めようとする意見もあるけど、私は個人的にはよほどの理由がない限り学校には通って欲しいと思います。

人生思い通りにはいきませんし、楽な事ばかりではありません。学校でも家庭でも嫌なことも多々あるでしょう。しかしその壁を一つ一つ乗り越えて行く、その積み重ねで人間力がついて、社会人として一人前になれると思うのですが・・・。

いずれにせよ家庭内、特に夫婦間のコミュニケーション不足は深刻な問題を子どもに与えるでしょう。
子どもは両親の夫婦仲にはとても敏感だということです。

これは物の豊かさや便利さでは補うことはできないでしょう。

そうかといって急に家族との会話を試みても、どうも思いが上手に伝わらなくてイライラする結果にもなりかねません。
実際このような思いをした人は珍しくないと思います。

次回に続きます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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