マナーうんちく話565≪織姫と彦星はなぜ一年に一度しか会えないの?≫
「お見合い」の語源ですが、文字通り目と目を合わすので「見合い」になった説が有力です。
さらに「女合わす(めあわす)」ともいわれ、女性を男性に引き合わす意味もあるようです。
江戸時代には武士の見合いでは藩の重鎮が、庶民であれば親せきや近所の人が世話役を買っていたようですが、やがてこれを商いとする人も出現します。
当時は「肝いり業」と呼ばれていたようですが、本格的なプロの仲人は明治になってからです。
明治の初めの頃のプロの仲人は、とてもしゃれた言葉で「高砂業」と呼ばれていたとか。
いかに日本人好みみのおめでたい言葉ですね。
ちなみに「高砂」は古来より日本で使用された言葉で色々な意味があります。
室町時代の世阿弥が作った能楽「高砂」の《高砂や、この浦船に帆を上げて、月もろともに出で汐の・・・》は有名です。
さらに結婚披露宴で新郎・新婦が座る一段高い席を「高砂」と言います。
今では地縁、職縁などが希薄になったので「ご縁の文化」は影を潜めた感がありますが、お見合いはいぜんとして健在です。
お見合いの斡旋を仕事とするプロの「仲人」もいます。
結婚には素敵な出会いが必要ですが、経験豊かな仲人が世話をしてくれるお見合いこそ最高の出会いであると私は思っています。
おせっかい文化が影を潜めつつある現状化で、良い仲人に恵まれた人は本当に幸せだといえます。
ところで昔から「仲人は親も同然」といわれますがご存知でしょうか。
出会い、見合い、結納、挙式、披露宴、結婚後の相談役と、仲人の出番は非常に多いわけですが、こんな重要な役割の人が次第に影を潜めていくことは非常に寂しい限りです。
また「仲人はわらじ千足」ともいわれます。
これも今では全く知られていませんが、仲人は幸せな結婚を実現させるためにあらゆる努力をします。
まずお相手をみつけるために「わらじ」を千足も掃きつぶすほど歩き回るわけです。
何もかもデジタル化された今と異なり、昔の仲人は本当に苦労して情報収集するわけで、だからこそ心底うまくいってほしいと願うわけです。
草鞋は稲の藁で作られた日本の伝統的な履き物で、今でも祭りなどの伝統行事の時などに見かけることがあります。