マナーうんちく話459≪手土産の渡し方①「玄関先」≫
日本で花といえば「桜」だと思いますが、ここまで花の咲き始めから散り様に一喜一憂する国はないのではないでしょうか・・・。
そして花を囲んで酒とご馳走で宴を開く文化を有する国も珍しいでしょう。
今では花見といえば「ソメイヨシノ」ですがその寿命は60年くらいだとか・・・。
戦後間もない頃に植えられたソメイヨシノもそろそろ世代交代の時期を迎えているようですね。
そしてこの終末に花見と洒落込でいる人も多いと思いますが、桜の木のすぐ下で宴会をするのは、桜の根元を痛めることになります。
どうか美しく咲いてくれた桜の木を大切にいたわっていただきたいと思います。
桜の花にも素敵なマナーを発揮してください。
ところで桜を眺めながら酒を飲みご馳走を頂く人は一般的には「花見客」と呼ばれますが、飲食を伴わなくても優雅に桜を眺め愛でる人のことを「桜人(さくらびと)」といいます。
平成最後の桜を桜人として楽しまれるのもいいですね・・・。
《千利休のもてなしの心得》も最後になりましたが、利休は茶を介して同席する客への心得として「相客に心せよ」と説いています。
花見もそうですが、相手とともに素晴らしいひと時を過ごすためには、なにをすればいいのか?しっかり考えて下さい。
有名な花見のスポットは大勢の花見客で混雑します。
朝早くからの場所取りも大変でしょうが、自分たちのためだけでなく、他の客のことも考える必要があるということです。
個だけでなく、全体を見渡した気配りが大切です。
言い方を変えれば「その場にいるすべての人が尊重し合うこと」で、みんな花見を楽しめることができるということです。
縁があって同じ場所で花見をするのですから、「一期一会」を大切にしてください。
ちなみに「一期」とは一生という意味で、「一会」はたった一度の意味です。
あなたたちと楽しんでいる花見は長い人生の中でたった一度の事と心得、この一瞬のひと時を大切にして、今できる最高の誠意を尽くすということです。
また職場の花見であれば社長も部長もいるかもしれません。
幹事はとかく社長や部長の特別な立場の人に神経を使いますが、あくまですべての人に対して心配りをすることが大切です。
この教えは公私とも応用が利きます。
ぜひ心にとめておいて下さい。