マナーうんちく話673《「立春」と「慶事用熨斗袋」≫
一年で一番夜が長く昼が長い「冬至」が過ぎたので、これからは日差しが少しずつ長くなります。
冬至は太陽の力が最も弱まる時ですから、禍に見舞われやすい、悲観や絶望につながるなどの理由で「どん底の日」と考えられており、「う」のつくものを食べたり、太陽の復活を願って火祭りをして、無病息災を祈願する風習は世界各国で見られます。
その際、薪を燃やすところもありますが、この薪は「ブッシュ・ド・ノエル」といわれクリスマスケーキの定番になっています。
また、これからは日差しが長くなり、太陽の力が徐々に強まるので運気が次第に増してくるという考えの「一陽来復」という言葉があります。
ちなみに立春は旧暦の正月ですが、実質的には一年で最も寒い時期です。
寒い日が一年のスタートになるわけです。
それに比べて冬至は太陽の恵みが一年で最も少ない日ですが、この日が一年の初めになるという考えで、一陽来復という言葉は「冬が去り、春が来る」という意味です。
冬つまり「陰」が終わって、春つまり「陽」が来るという意味もあります。
これらが転じて「悪いことが続いたら後は幸運がやってくる」という意味でも使用されます
この考えは日本でも西洋でも同じようです
そういえば日本では「松」が、神が宿る木とされ、門松にも盆栽でも重宝される大変縁起が良い木とされています。
葉っぱが二本対になっている点や、葉っぱが天に向かって手を広げて神を待っている姿も縁起が良いとされる理由です。
そしてクリスマスにはツリーに「もみの木」が使用されます。
肌触りが良い、ダニが発生しにくい、音響効果が良い、香りが良い、見た目がきれい等の実用的な面がもみの木には多々ありますが、葉が落ちないので木に精霊が宿ると考えられていたのでしょうか・・・。
そして一番大きな理由は松の木も、もみの木も常緑時で、緑を絶やすことがありません。冬になっても青々としており、雪をかぶっても凛としているので、ともに「永遠の命や不老長寿の象徴」と考えられていたのでしょう。
日本でもキリスト教国に負けないくらい盛大にクリスマスのイベントが展開されていますが、クリスマスは冬至の祭りがその起源という説もあります。
日本も欧米もクリスマスを祝う点は同じですが、クリスマスが過ぎれば12月26日ころから日本ではもみの木から「松の木」にます。
地域によりかなり異なりますが、1月7日までは「松の内」と言って門松がある期間です。
欧米では1月6日くらいまで「もみの木」でしょう。