マナーうんちく話459≪手土産の渡し方①「玄関先」≫
冷たい風に吹かれながら見上げる冬の夕焼けは格別で、何となく心が温かくなりそうです。
いよいよ今日から12月。
イルミネーションが目立つようになり、「お歳暮」「クリスマス」「正月準備」で忙しくなります。
もともと四季が豊かな日本には世界屈指といわれるくらい年中行事がありますが、明治以前のものは概ね仏教、神道の影響が大きく、明治以降から始まった行事はキリスト教の影響が大きいようです。
中でもクリスマスはキリスト教、正月は神道の影響が大きく、いずれも年中行事の中では大きな存在です。
ところで12月は「師走」といいますが、これはよくしられていますね。
では「除月」という言葉は如何でしょうか?
正月は神様が里帰りされるに当たり、それをお迎えして、おもてなしして、お見送りする一連の行事です。
神様が里帰りされる際の目印になり、いったん家に入る前に依り代になる門松を用意します。
そして神様が家に入られるわけですから、家の中の邪気を払い清めておかなければいけません。
今では年末大掃除や「すす払い」という形で残っています。
ちなみに「除月」とは古いものを除いて、清めるという意味で用いられるようになったそうです。
そして里帰りされた神様にお供えが必要になります。
お供えは主に食べ物ですが、これがお歳暮の起源だといわれています。
今では、お歳暮にしてもお中元にしても、お世話になった気持ちを形にしたものになりましたが、食べ物や飲み物が多いのはそのせいでしょう。
ところでお歳暮を贈る時に心がけて頂きたいことは、誰に、何を贈るのか?
ここがポイントになるとおもいますが、いくら気づかいしてもしすぎることはありません。
「真心を込める」が大切です。
さらに可能であれば、直接持参して、相手を気遣うことも大切です。
またお歳暮は「熨斗」を付ける習慣があります。
水引は紅白、蝶結び、表書きはお歳暮にして、名前はフルネームがお勧めです。
12月の終わりになると「餅つき」があります。
「鏡餅」も作りますが、餅は神様へのお供え物で、鏡餅には神様が宿ります。
さらに「お飾り」も用意しますが、お飾りは家の中が清められたというしるしです。
このように昔の人は神様をお迎えし、もてなすために、誠心誠意真心を込めたわけですが、これが日本のもてなしの原点です。
見返りを求めず、見えないものに誠意をささげる。
素晴らしい文化です。
平成最後の師走を、身も心も元気で、そしておもてなしの心でお過ごしください。