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コラム
マナーうんちく話1764《逝き方の選択とそのお作法・不作法①》
2018年11月23日
【初めに】
戦後間もない頃の日本人の平均寿命は先進国の中でも最下位クラスであったのに、持ち前の勤勉さで一生懸命働き経済を立て直し、栄養状態、衛生状態を改善し、それに医療制度を充実させるとともに医療技術を進歩させました。
また恒久平和主義をうたった憲法のもとで、戦争を放棄して、平和な社会を確立したおかげで、あれよ、あれよという間に世界屈指の長寿を手に入れました。
そして「長寿」を手に入れたということは同時に、老後の人生が長くなるわけですから、二度目の収穫期も手に入れたことになります。
定年後に、もう一度人生の花を咲かせることが可能になったということです。
戦後間もない時の日本人の平均寿命は55歳そこそこです。
その頃「サザエさん」が登場しましたが、「サザエさん」のお父さんである磯野浪平さんの時代は、定年後の人生は殆どありません。
しかし今は日本に100歳まで生きている人は約7万人います。
まさに普通の人が100歳まで生きられる「人生100歳時代」です。
【長寿社会に漂う暗いイメージ】
定年後にさらに活躍の場が開けたわけですから、ここは素直に喜びたいものですか、現状はとても暗いイメージで高齢社会が捉えられています。
なぜでしょうか?
「平均寿命」と、介護などの世話を受けず自立して生きられる「健康寿命」の大きなギャップがあります。
つまり「長生きの質」が問われる時代だということです。
健康寿命は男性約81歳、女性約87歳ですが、健康寿命は男性約72歳、女性約74歳です。
介護を受けなければいけない期間があまりにも長いということです。
これは当事者もつらいけど、周囲で介護の世話をする人も本当につらいものがあります。
さらに介護に関する諸経費も大変です。
しかも高齢化が進展する限りこの数字は増大するばかりです。
病院も介護施設の需要もそれにかかわるマンパワーも増えるばかりでしょう。
税金が多く投入されるということです。
また介護の需要を満たすだけの施設や人材は不足してくるでしょう。
そのしわ寄せは誰に来るのかが当然問われます。
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