マナーうんちく話565≪織姫と彦星はなぜ一年に一度しか会えないの?≫
暦の上では菊の花が咲く頃です。
これから冬に向かって花が少なくなる時期に、高貴な香りとともに凛と花を咲かせる菊は中国では梅や竹や欄とともに「四君子」として重宝されたそうです。
そして今日のように、菊が咲く時期に空が晴れ渡ることを「菊晴れ」と呼びます。
なんとなく前向きな気持ちになれそうですね・・・。
ところで着ものには日本では「晴れ着」というものが存在します。
「晴れ舞台」もありますね。
それと同様に箸にも日常で使用する「ケの箸」と、結婚式や長寿の祝い等の祝いの席などで使用する「ハレの箸」があります。
加えて日本の箸にはそれぞれ格式があり、「ハレの箸である「祝い箸」は最高の格式を有しています。
両方の先が細くなっているのが特徴で、一方の側は神様が使用し、もう片方は人が使用します。
つまり「神人共食箸」ですね。
日本には神様とともに食事をする「神人共食文化」が存在します。
正月や花見などはまさにそれが起源でしょう。
神様とともに食事をするわけですから、当然姿勢を正し、真摯な態度で食事をしなければいけません。
ちなみに祝い箸は柳の白木でつくられています。
柳は丈夫ということもありますが、神様が宿り邪気を払うとも考えられています。
そして大人も子供も同じ大きさの箸を使うのが特徴です。
長さは「八寸」と決まっています。
「八」は末広がりにつながる意味で約24㎝です。
日本には世界屈指といわれるくらいの年中行事が存在します。
その横綱格である正月に向けて早くも「おせち料理商戦」の火ぶたが華々しく切られたようです。
おせち料理も「作る時代」から「買う時代」になった感がします。
加えて年々多彩で豪華な内容になっていますね。
しかし、豪華さを競うよりも、それに込められた先人の思いに心をはせてみたいものですね・・・。
確かにマナーには不易流行的な側面があり、時代とともに変わっていくのはある程度仕方ないと思いますが、年中行事に意義や意味をはき違えては本末転倒だと思うのですが、如何でしょうか・・・。
神様とともにいただくご馳走ですから気持ちも大切にしたいと思うのですが・・・。
まだ続きます。