マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
雪が多い年は豊作になるといわれていますが、「瑞花(ずいか)」という吉兆を表す言葉があります。
雪が多く降ると、春になれば雪解けの水が田畑を潤してくれるので、秋に実りが多くなるという理屈ですが、これが転じて雪のことを瑞花と表現するようになったそうです。
そして2月19日は二十四節気の一つ「雨水(うすい)」です。
少し暖かくなってきたので、今まで降っていた雪が雨に変わる境になる日で、大変おめでたい日とされています。
今年は本当に多くの雪に見舞われたので、この辺で名残雪になってくれればいいですね。
また雨水は女の子がいるうちではお雛様を飾る目安になる日ですが、同時に農作業を始める目安になる日です。
立春の頃は寒さも大変厳しく、今年の雪も半端ではありませんでしたが、雨水の頃になると、雪が雨に変わり、これが大地を潤す恵みの水になると思えば、不思議に気持ちも明るくなります。
そしてこの雨は分け隔てなく平等に大地や草木を潤してくれますが、その雨の恩恵を受ける草木には、それぞれ個性があり、花の咲き方も様々です。
人もしかりです。
天からいただいたありがたい恵みを、どのように受け、どんな花を咲かせるかは、まさに十人十色でしょう。
百花の王といわれる牡丹のように大輪の花を華やかに咲かせる人もいれば、菫(すみれ)のような清楚な感じの花をつつましく咲かせる人もいるでしょう。
さらに早咲きの人もいれば遅咲きの人もいます。
また日本は長寿国になりましたから、高齢期に入って二度目の花を咲かせる人も珍しくなくなりました。
色々な咲かせ方があってしかりだと思います。
不必要に他人と比較する必要はないでしょう。
春の鋭気をしっかり感じて、自分らしい花を咲かせてください。