マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
「子どもは神の子」といわれていた時代、三歳、五歳の子供が成長すれば喜びも大きかったわけですが、七歳になればもう大丈夫と思えるようになり、七五三の中でも特に7歳は大きな節目です。
氏神様にお参りして、晴れて地域の一員として認めて頂くわけですね。
ところで《七五三がテーマのわらべ歌》をご存知でしょうか?
「とおりゃんせ」です。
「とおりゃんせ」には「この子の7つのお祝いに、お札をおさめに,参ります」と歌われています。
ではお札を収める、つまり「お札収め」の意味や方法をご存知でしょうか?
最近では食料品に消費期限や賞味期限がありますが、神社仏閣で一年のご加護・感謝のお礼の気持ちを込めて頂戴したお札は、いつまでも飾っておくわけにはいきません。有効期限があるということでしょうか。
しかしお札やお守りという性質上、古くなったからといって可燃ゴミに出すわけにも参りません。ではどうする?
お勧めは神社に設置されている「古札納付所」に持参することです。
しかしすべての神社にあるわけではなく、納付所がない神社もあります。
そんな場合は1月15日頃に行われる「どんど焼き」がお勧めです。
勿論古くなったお札やお守りをどのようにするかという厳格な決まりはないと思いますが、以上のことを目安にしていただければと思います。
頂いたお札はお返しして、また新たなお札を授かり、最大の効果を得るわけです。つまり新しい御霊をお迎えするためですね。
但し合格祈願などでいただいたお札やお守りは、受験が終わった時点で返納するのがベターです。この際、合格しても不合格でも感謝して返納してください。
ちなみにビジネスでもそうですが、ことがうまくいかなかったときの誠実な対応はとても大切です。
基本的には神社でいただいたお札は神社へ納めて、お寺でいただいたお札は頂いたお寺に納めるのがいいでしょう。
通りゃんせ 通らゃんせ ここはどこの細道じゃ 天神様の細道じゃ
ちょっと通して くだしゃんせ 御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つのお祝いに お札をおさめに参ります
行きはよいよい 帰りは恐い 恐いながらも 通らゃんせ 通らゃんせ
江戸時代の歌詞だそうですが、天神様に七五三のお参りに行く様子がうたわれています。
子育てが選挙のたびに話題になりますが、もともと日本は子供の成長に関する年中行事は非常に多く存在する国で、親は節目・節目に子供の健やかな成長を神様に祈願して、お祝いしたものです。
世界で最も子どもを大切にする国だと思います。
それと同時に節目・節目に大切なことを、親は子にきちんと教えていたわけですね。例えば江戸しぐさにある「三つ心・六つ躾・九つ言葉・十二文・十五理」はその典型でしょう。
※「マナーうんちく話501《三つ心・六つ躾・九つ言葉・・・。》」を参考にしてください。
加えて教育にも大変力を注いでおり、藩校や寺子屋で多くの子が学び、読み書きそろばんを身に付けた国です。
日本が世界屈指の「礼節の国」といわれるのはこのような背景があるわけで、先人の努力に対して感謝したいものです。