マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
突然ですが世界で最も平和な国はどこでしょうか?
現在地球上には国連に加盟している国が190余り存在しますが、その中で最も平和な国はアイスランドで、次はニュージーランド、3位はポルトガルです。
これは「経済平和研究所」が世界各国や地域がどれくらい平和かを相対的に数値化して発表した各国・地域の平和度指数です。
社会の治安、安全、軍事費、紛争、テロ、人権など23項目の指標の総合点を毎年発表しているいわば「平和度合いの格付けしたもの」ととらえたらいいと思います。
アイスランドといえば美しい自然に恵まれオーロラが舞う美しい国をイメージしますが、北ヨーロッパの北大西洋上に位置する北海道より少し大きいくらいの島国です。1986年に首都レイキャビクで冷戦終結に向けた米ソ首脳会談が行われた歴史の舞台でもあります。
そのような街だからこそ平和を願う気持ちも一層強いのでしょうか。
政治不信が募る中、今年も平和祈念式典が8月6日に広島で開催されました。
世界で初めて原子爆弾を経験した国だからこそ平和を願う気持ちは、世界のどの国よりも強く、それを世界各国に表明するために毎年開催されています。
「核なき世界」を求めて平和の祭典が厳かに執り行われることは大変すばらしいことですが、問題はそれにより平和に対する関心が高まり、各国の平和度がどれくらい上昇するかだと思います。
このおかげでしょうか、世界的には平和度はかなり高まっているそうです。
すばらしいことですね。
では日本の平和度は世界で何位くらいでしょうか?
非常に気になる数字ですが、現在ではやっとベスト10に入るくらいです。
2016年は9位で、2017年に発表された順位は10位です。
原爆投下以来平和建設の魂が強烈に芽生え、多くの人が主体的に平和への行動を行っていますが、残念ながら今になって平和度は下がっているわけです。
アイスランドと同じ島国である日本は、江戸時代までは鎖国で他国との戦争は無縁でしたが、明治になり世界と交流を図り、肩を並べるようになりました。しかし世界を相手に戦争を経験することになります。
世論も戦争を支持するようになりますが、日露戦争で戦地に派兵された可愛い弟を思って詩を作った女性がいました。与謝野晶子の有名な「君死に給うことなかれ」です。
当時は危険思想の持ち主として世間から非難されますが、人間としての本来あるべき気持ちを切実に歌ったものです。
《平和は人類最高の理想である》とゲーテは述べています。
平和を最高とする言葉は多々ありますが、国際化が進展する中、世界中の人がどうすれば世界が平和になるかを一緒に考える機会や場が多くあればいいですね。
喜劇王として有名なチャプリンは「世界中の人が少しずつ素敵なマナーを発揮すれば世界はもっと良くなる」と述べています。
マナーも平和構築には大切だということでしょう。
ところで最近の国会答弁を聞いていますと、責任ある人たちが口をそろえて「記憶にありません」「記録にありません」と述べています。
自分の保身ばかりで、世のため人のために正義を通す政治家が少なくなった気がしてなりません。こんな国で平和な国家が築かれるとはとても思えません。
どのように思われますか・・・。
政治により関心を持ち、投票する際、候補者の気持ちや政治能力を見極める力をつけることが、平和な国づくりに必要だと痛感するわけです。
ちなみに「男女平等度ランキング」があります。
世界144か国において、政治、経済、教育、健康の4つの分野で男女差をどのくらい埋めているかを調査した指標です。
このランクも気になるところですが、1位はアイスランド、続いてフィンランド、ノルウェーで日本は111位でした。この数字をどう捉えますか?