マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
ホテルに入社したての頃はフランス料理のレストラン勤務でしたから、西洋料理のマナーや「プロトコール」を主に学びました。
やがて結婚式を担当するようになるわけですが、当時は神前式が主流でした。
それに加えて、和室での「両家初顔合わせ」や「結納の儀式」、加えて「和食の会席料理」での披露宴となれば「和の礼儀作法」は避けては通れません。
そこで新たに小笠原流礼法や和食のマナーなどに触れるわけですが、これが誠に素晴らしい文化だということを思い知らされました。
まさに目からうろこでした。
「灯台下暗し」で、西洋文化ばかりにはしり、自国にこのような素晴らしい文化や礼儀作法が存在していたことに気が付かなかったことを、恥ずかしく思った次第です。
勿論西洋のマナーやテーブルマナーにも素晴らしい点は多々あります。
大いに学ぶべきだと思います。
しかし日本のマナーや和食のマナーは西洋のそれらに勝るとも劣らないと思います。
そして今は国際化の時代です。
国際化の時代を生きていくには、どちらも身に付ければ鬼に金棒でしょう。
優先順位としては和の文化や歴史が先でしょう。
日本人として「日本の礼儀作法」の良さは是非知って頂きたいと思います。
つい半世紀前までは「花嫁修業」、つまり今流に表現すればフィニッシッングスクールには料理やお茶やお花等が有りましたが、今改めて華道や茶道に触れてみるのもお勧めです。
現在日本には800近い大学があり、数多くの学部や学科があります。
中にはたいへんユニークな学科もあるようですが、残念ながら「和の礼儀作法」を専門に教える学部や学科はあまり聞きません。
また食物関連の学部や学科も多く存在しますが、「和食のマナー」を本格的に教えるコースもないようですね。
和の礼儀作法は堅苦しいとか窮屈というイメージが強く、現代生活にはなじめないと思われている人も多いと思います。
しかし「思いやりの心」を具体的に表現したものと理解していただければ、あらゆる分野で応用が利き、素晴らしい効果が期待できます。
接客・接遇はもちろん介護や看護の分野でも大活躍するでしょう。
子育てや自分磨き、就活や婚活にも是非お勧めします。
次回に続きます。