マナーうんちく話1480《「オレオレ詐欺をマナーの視点でとらえると②》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

前回の続きですが、突然電話が孫や子どもと名乗る人からかかって来て大金を要求されたら、先ずは「直接顔を見せて!」とお願いされたらいいと思います。

「時間が無い」「今すぐ必要」「直ぐ振り込まないと大事になる」等と、せっぱつまっている時ほど、直接会って相手を見て、どんなに困窮しているのかを確かめた方がいいと思うわけです。

少なくとも一人前に成長して社会人になった子どもが、突然電話してきて、大金が必要と言っても、大金を無条件に出すのは感心しません。
酷なようですが甘やかし過ぎは良くないでしょう。
今後のこともあります。

「自分でまいた種はあくまで自分で刈る」。
それについて何か助けてあげることが有れば、援助する方法もあると思うのですが・・・。

ちなみに、衣食住が今と比較にならない位に貧しかった江戸時代にも高齢者はいました。
でも孤独死は無かったようです。
欧米でもあまり聞きませんね。

「孤独死」や「オレオレ詐欺」は現在の日本独特の現象の様で、先進国としては非常に恥ずかしいことです。
一人ひとりの心構えが大切だと思います。

今の日本は何もかも厳格になりました。
衛生面も大げさすぎるくらい厳格で消費期限や賞味期限という言葉が産まれました。マスク姿の人も増えるばかりです。

加えて「個人情報保護法」という法律もあります。
NTTの電話帳の掲載を控える人も珍しくありません。

しかしダイレクトメールや勧誘の電話は後を絶ちません。
メールでの勧誘もありますね。

ではどうすればいいのか?
マナーの視点を持つことも大切です。
さらに毅然とした態度をとることも大切です。

しつこい電話や訪問を受けたら、「入りません」「買うつもりはありません」「今後電話をかけないでください」ときっぱり断るのもお勧めです。

相手はその道のプロです。
長く対応すれば、いつの間にか巧みな話術に乗せられてしまう恐れがあります。くれぐれもご用心下さい。

最後になりましたが、より大切にしたいのは「大事なことは一人で決めないこと」だと思います。

聖徳太子は17条の憲法の冒頭で「和を持って貴しとなす」と説かれました。

「和」とは、主体性を堅持しつつも他者との協調を大切にすることです。
平たく言えば、大事なことは自分勝手に決めず皆で話し合って決めようということです。

聖徳太子以来「和の精神」が、家庭でも地域でも職場でも脈々と生きているのが日本です。

特にお金や権利の話は」「その場で即決しない」「一人で決めない」ことです。
家族や友人とよく相談して決めて下さい。

そのためには素敵なマナーを身につけ、「何でも気軽に相談できる人間関係」を日頃から築いておくことです。

「無縁社会」はそれを否定した社会です。
だからいつまでも悪質な詐欺が後を絶たないのでしょう。

マナーの大切さを改めて認識したいものですね。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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