マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
新しい年を迎えて「今年こそは」と志を新たにされた人も多いと思います。
また「成人式」を迎えて新たな誓いを立てられる人も多いと思います。
しかし中には、「もう年だから」とか、「今さら」と躊躇している人もいるかもしれませんね。
このコラムで何度も触れましたが、今や日本は世界屈指の長寿の国で、女性の平均寿命は87歳、男性は80歳になりました。
平均寿命は今後も伸び続けると予測されますが、元気な高齢者は沢山います。
60代、70代でも仕事に精を出す時代です。
加えて「高齢者」の定義が75歳からになりそうな雰囲気です。
しかし平均寿命が延びることは喜ばしいことばかりではありません。
認知症を患う人も当然増加し続けるでしょう。
でも、歳を重ねて何か新しいものに挑戦することは認知症の予防にもなるそうです。
志を立てるのに年齢は関係ないということではないでしょうか。
年齢を気にするより、強い意志を持つことが大切だと考えます。
強い意志と目標が定まれば希望も湧き、人間として成長が期待できるでしょう。
正月気分もそろそろお別れしたところで、しっかりと目標を立て、これからの一年を前向きに過ごしたいものです。
ちなみに年齢をしっかり重ねてきた私は「出来る事」を増やすより、「楽しい事」をより多く取り入れたいと願っています。
人は何事にも一生懸命になれば、確かに出来ることは増えてきます。
人間力も高まり、給料も増える。
喜びや満足感もひとしおでしょう。
従って素晴らしいことには変わりありません。
しかし、ふと人生を振り返った時に、心から楽しめることがどのくらいあっただろうか・・・。
新しい年のスタートに当たり、新たな志を立てるのは非常に良いことだと思いますが、今までとは少し視点を変えてみるのもお勧めです。
生涯楽しめる新しい趣味に挑戦するのもいいかもしれませんね。
台所に入ったことが無い男性がフレンチに挑戦するとか、運動嫌いな女性がゴルフを始めるとか、生涯独身を貫いてきた人が恋愛に関心を抱くとか・・・。
日常生活の身近な所にも意外に大きな楽しみがあるかもしれません。
そして、自分の時間を作ることもお勧めです。
同時に若い人も高齢者の人も、「誰かとの時間」を持つことをお勧めします。
なぜなら人は一人では生きていけないからです。
つまり、一生人間関係は大切だからです。
人と寄り添い、時間を共有することで伝わる心もあります。
他者の事を思い、他者に尽くすことで、自分自身も磨かれます。
人生の本当の楽しみは案外その中にあるかも・・・。