マナーうんちく話509≪「女しぐさ」と「男しぐさ」≫
新しい年になればすべてのものが変わるというものではありませんが、それでも新年は一つの節目でもあります。
色々と気持も新たになります。
特に新しいカレンダーを開く時は身が引き締まる思いになります。
年が明けて初めて暦を用いることを「初暦」といいます。
正月を振り出しに様々なことが暦に描かれていくと思いますが、どうか沢山のハッピーが記載されますように・・・。
そして年が明けて初めて神社にお参りする事を「初詣」といいます。
かつては徹夜で大晦日の夜にお参りするものでしたが、今では歳神様が滞在されている「松の内」に、氏神様を祀る神社にお参りするのが一般的です。
旅行業者などが企画する参拝ツアーなどの影響で有名な神社に詣でる人も多いようですが、本来は氏神様を拝むことのようでした。
このように新年のスタートは何かと「初」の行事のオンパレードになります。
また昔は夢を見るのも大変な縁起担ぎのようだったわけです。
一富士、二鷹、三茄子と言われる縁起のいい夢を見れば、これから先の一年が素晴らしい年になりそうです。
このコラムでも何度も触れましたが、枕の下に「宝船」の絵を敷いて寝るのが古くからのしきたりです。
縁起担ぎと言えばまだ大切なことが有ります。
今でも多くの人の正月恒例行事になっていますが「初日の出」をおがむこともそうです。
ではなぜ初日の出を拝むのでしょうか?
「古事記」に「天岩戸開き」がありま。
天照大御神様が天岩戸に隠れられたのでこの世は闇の世界になり、数々の災いが起こりました。
そこで岩戸の前で楽しい踊りを踊り、それにつられて大御神様が岩から顔をのぞかれた瞬間に注連縄を飾り、中に入れなくしました。
こうして暗闇の世界から解放され、再び太陽の恵みを得ることが出来、万物に生気がよみがえったという物語が有ります。
従って初日の出を排するということは、「昨年の感謝と、今年もどうか太陽の恵みをたくさん頂けますように」という意味が込められています。
言い方を変えれば「生きていく上で基本的な事」を祈願する事に繋がります。
お願いばかりでなく、感謝の気持ちを常に持つことも大切だと思います。
ところで古来の宗教観では、全てのものに神様が宿り、全ての現象は神様によってもたらされると考えられていました。
従って「日の出」には太陽神が宿ると考え、無病息災を祈念してきたわけです。
ちなみにその年の最初の日のでは「初日の出」といいます。
初日の出に歳神様が光現れるので、一年の無病息災や豊作を祈るわけですね。
これにたいして「ご来光」とは、高い山や山頂から見える日の出のことです。
例えば富士さんのように高い山などから「尊いもの」として迎える日の出のことで、元旦に限ったものではありません。
昔は山には霊的な力が有り、高い山ほどご利益があると信じられていたようですね。
ご来光を拝する機会がありましたら、このコラムを参考にして頂ければ幸いです。お願に感謝の気持ちを添えることをお忘れなく・・・。