マナーうんちく話1372《清潔好きの日本人と「風呂」と「清める文化」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

寒くなってくると温泉が恋しくなります。
日本の清潔感漂う文化は世界の人が感動するそうですが、温泉好きとどうやら密接な関係が有りそうですね。

日本には至る所に温泉が有り、特に岩風呂のようなものは簡単に利用できるので昔から利用されていたとおもわれます。

やがてお寺などで人工的に蒸し風呂のような施設が作られ修業の対象になり、その心地良さが広く広まったという説が有ります。

さらに江戸時代になると庶民の間でも大人気となり、風呂は交流の場、娯楽の場としてますます栄えて、次第にぜいたく感を増していったとか・・・。

それでは西洋ではあまり風呂に入る習慣はなかったのでしょうか?
西洋はトイレなどの衛生面などでも日本とは大きく異なるようです。
勿論シャワーが有りますが、それが発明されたのも日本で言えば明治時代の頃だそうです。

一見絢爛豪華な西洋建築と、あでやかなファッションで、見た目にも豪華さが漂いますが、清潔という点では日本の方が優れていると言えそうですね。

ホテルを利用すると、狭い部屋に湯船とトイレが一緒にあるのが一般的ですが、日本の家ではトイレと風呂は別々が常識です。

そして日本では昔から「清める」文化が存在します。
神社に参拝する時には先ず冷たい水で身体を清めます。

鳥居を通り抜けると「手水舎」が有ります。
ここでは手と心を清めます。

また、洋食はナプキンが用意されますが、和食には「おしぼり」になります。
このお絞りには手を清める意味が有ります。

神聖な食べ物を頂くわけですから手を清めて頂くわけです。
「手盆(手皿)」は良くないマナーと言われますが、「清めた手をわざわざ汚しに行く行為だからやってはいけませんよ」ということです。

ところで日本でも風呂に招待することは最高のお持て成しだったようです。
源頼朝も和の礼法を作った足利義満も「風呂」を作り、お持て成しをしていたと言われています。

恐らくゆったりと湯船につかり、その後ご馳走やお酒が供されたのでしょう。
「風呂にゆったり浸かり、その後一杯・・・」。
今も昔も同じようです。

今日本を訪れる外国人は増加の一途だそうですが、日本に来て喫茶店や食堂で、無料で「お絞り」がサービスされる事を大変驚くそうです。

加えて電車に乗っても、街を歩いても、ゴミ一つ落ちてなく清潔感が漂うことも称賛しているとか・・・。
日本人がいかに他者の不快感を与えないように気を使ったかということでしょう。

日本に来てモノを忘れても落としても、届け出をすれば殆どの確率で、それが帰ってくることに感動を覚えるという声もよく聞きます。

さらにさらに和食の人気は高いようです。
この度、年中行事の一つ「日本の祭り」がユネスコの無形文化遺産に登録されましたが、日本では当たり前のことが、世界から見れば本当に素晴らしいことなのですね。

寒い日に一日の疲れを落とすために風呂にゆっくりつかる。
以上のことを思うと幸せ感がさらに募りそうです。
このような国、このような時代に生まれたことに感謝します。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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