マナーうんちく話521≪お心肥し≫
美しい物を観て気分が悪くなる人は殆どいないでしょう。
人間は本能的に美しいものを好む習性が有るかもしれませんね。
ところでマナーの根源を成す「思いやりの心」は二つの側面が有ります。
一つは「他者に不快感を与えない」ということです。
そしてもう一つは「他者に好感を与える」点です。
従って自分を美しく見せるということは、相手に好感を与えることになり、思いやりの心を発揮する事に繋がります。
また美しさに磨きを掛けることはそればかりではありません。
先ず、美しくすれば人は好感を持って集まってくれます。
人が集まれば、そこにはコミュニケーションが生まれ、幸せが芽吹きます。
人間関係は不思議なものです。
自分が綺麗になり、そこに人が集まれば、そこに集まった人の友人や知人とも関わることが出来ます。「類は友を呼ぶ」という諺もあります。
美しくすればよい縁に恵まれるということでしょう。
しかしその逆は感心しません。
身だしなみがだらしなくて、言葉遣いも汚い、表情も暗い、いつもネガティブとなればどんな縁になるか・・・。
幸運を呼び込むためには色々な意味で美しくする必要があるということですね。
装いも、メイクも、姿勢も、表情や態度も・・・。
加えて常に何事にも前向きで、思いやりや感謝の気持ちを持つ。
そんな人の所に幸運の女神がやってくるのは頷ける話です。
外見も内面も常に磨きを掛ける。
そしてご縁が有った人には出し惜しみすることなく、素敵な思いやりを発揮する。
そこには一緒にいて気持ち良い人、和める人が集うはずです。
自分もハッピーに、周囲の人にもハッピーを発信する人が集まります。
ちなみに外面の美しさと「作法」は切っても切れない関係が有ると思います。
和の作法を身に付ければさらに美しさに磨きがかかります。
ポイントは既にこのコラムでも取り上げましたが「一回一動作」です。
動作を重複させない、つまり○○しながら○○しないということで、エレガンスの基本です。
一つの動作に心を込めるということです。
箸使いはその典型的な例です。
今年も残すところ一つ気になりました。
身も心も美しく過ごし、有終の美を飾りたいものです。