マナーうんちく話401≪喪中はがきの知識ととらえ方≫
日本は今、世界屈指の長寿の国になっていますが、長寿社会は裏を返せば高齢者が多い社会です。
そして少子化が進展しているので、日本は子どもが少なく、高齢者が多い社会に陥っているということです。
結婚式より葬式が多くなってくるのも頷けます。
「葬儀に参列する機会が増えてきた」と感じる人も多いのではないでしょうか。
結婚式はキリスト教スタイルや人前式スタイルに人気があるようですが、葬儀は殆ど仏式が多いのが現状です。
仏式の葬式が増えれば法要も増え、何かと焼香する機会は多くなりますね。
ただ日本の公立の学校では宗教教育が行われていないので、葬儀の意味や目的、加えて焼香の作法等もきちんと勉強する機会が無いまま社会人になるので、なにかにつけ「前に倣え」式の焼香が多いと感じます。
勿論これはこれで良いと思いますが、理屈や作法をキチンと心得ておけば安心で、心にゆとりが生じます。
心にゆとりが生ずれば他者に対して心配りが出来ます。
だからマナーを心得ていた方がいいわけですね。
焼香は仏や死者に香を焚いて拝む儀式です。
香で霊前を清めて、心と身体の穢れをとり、清浄にするという意味が有ります。
また香りで邪気を払う効果が有るとも言われますが、葬儀や法要で行われ、細かくした香を香炉に落として焚きます。
焼香の作法ですが、これは宗派により異なります。
深く気にする必要はないと思いますが、基本的には数珠を左手に掛け、右手で行います。下記の通りに行えばいいでしょう。
○遺族と祭壇に一礼する
○焼香台の前で合掌する
○右手の親指、人差し指、中指の3本で抹香をつまみ、香炉に入れる。
この際、額に軽く押しいただくしぐさをすればいいでしょう。
いずれにせよ順番は、喪主、遺族、弔問客になります。
焼香の回数ですが、1回行う宗派も有れば、3回行う宗派もあります。
自分が信仰する宗派に基づけばいいと思いますが、それも解らなければ1回でも構わないと思います。
要は心を込めて故人の冥福を祈ることが大切です。
ちなみに「冥福」とは故人の死後の幸福という意味です。
「冥」は暗くてぼんやりして、解らないさまで「あの世」を意味します。
抹香と線香が用意されることもあるようですが、読経が行われていたら抹香、それ以外は線香を焚くのが普通です。
線香を消す時は吹いて消さずに、手で扇いで消して下さいね。
なお焼香のスタイルは椅子席で多くみられる「立礼」、畳敷きの会場の「座礼」、そして座って香炉を手元に置き、焼香をして隣席に回す「回し焼香」等が有ります。