マナーうんちく花す1357《美食の秋とボジョレーヌーボーと日本酒》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

各地の山々から初冠雪の便りが聞こえて来る時ですが、既に北国では平野部でも雪が観測されていますね。
これから本格的な寒さが到来し暖房器具が手放せなくなりそうです。

ところで11月の第3木曜日、平成28年は11月17日になりますが「ボジョレーヌーボー」の解禁日です。
日本でもすっかりおなじみになり心待ちにしている方もおおいと思います。

ボジョレーヌーボー(beaujolais nouveau)はフランスのブルゴニューのボジョレー地区で作られたワインの新酒ですが、日本でも愛飲家が非常に多いようですね。

フランスで作られたワインの新酒を日本にいながら、どこよりも早く味わえるのですから、考えてみればとても贅沢なことだと思います。
「初物」好きな日本人にぴったりですね。

今の日本では何もかも贅沢になり、ボジョレーヌーボーも酒屋を始めコンビニやスーパーでも予約販売をするくらい有名になりましたが、その分日本酒が苦戦しているような気がします。

私はワインも日本酒もたしなみますが、寒くなると熱燗が恋しくなるタイプです。酒の飲み方は人それぞれでしょうが、日本酒くらい色々な飲み方が有る酒も珍しいのではないでしょうか。

温めて飲む醸造酒も珍しいと思いますが、日本酒はその温め方にも色々とこだわりが有ります。

概ね35℃位が「人肌燗」、40℃位が「ぬる燗」、45℃位は「上燗」、さらに50℃位になると「熱燗」と表現されます。
加えて55℃位まで温める「飛び切り燗」まであるから奥が深いわけです。

《白玉の歯にしみとおる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけり》(若山牧水)

酒の歌に関しては最も皆に愛され親しまれた短歌ではないでしょうか?

呑み助たちが、色々とうんちくを傾けながら美酒に酔う姿は、誠に平和でのどかな風景だと思います。

みんなでワイワイ語りながら楽しく飲む酒も良いでしょうが、秋の夜長、心を清まして一人静かに酒を飲み、人生について考えてみるのも又格別といった意味の歌で、大変格好良い飲み方だと思います。

この歌が詠まれた時とは比較にならないほど今の日本は食べ物に恵まれています。そして一年で最も食べ物が豊富に出回る「美食の秋」です。

手軽に美味しい食べ物や飲み物にありつけます。
ボジョレーヌーボーもしかりです。
それらを美味しくいただきたいと思うのは誰しも同じでしょう。

でもせっかくならそれらをより格好良くいただきたいと思うわけです。
そこで次回は「格好いい食べ方」に触れてみます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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