マナーうんちく話239≪バラ色の人生とマナー≫
連日地球の反対側で繰り広げられるリオ五輪。
日本のお家芸である柔道や体操を始め、様々な競技で日本勢のメダルラッシュが続いていますが頼もしい限りです。
今後の快進撃に大いに期待したいと思います。
ところで、世界には190を超える国と地域が有りますが、それぞれ独特の文化や宗教を持っています。
前回は日本のお盆の「送り火」と「迎え火」に触れましたが、今回は「オリンピックの聖火」に触れておきます。
オリンピック聖火(Olympic Flame)は、大会期間中は競技場でともされ続けられますが、その起源はとても古く古代ギリシャ時代にさかのぼります。
古代ギリシャ人は火を大変神聖なものとして扱い、古代オリンピックの期間中は神殿にある祭壇に火をともして、神様を称えていたといわれております。
そして、1928年のアムステルダムオリンピックで再び導入され、以後近代オリンピックの象徴であり続けているのはご存知の通りです。
ちなみに、聖火ランナーによる「聖火リレー」が導入されたのは1936年のベルリンオリンピックからです。
聖火リレーにより、「古代と現代をオリンピックの火で結ぶ」という思いが込められていたようです。
今でも聖火はその大会の理念を象徴するくらい重要です。
そもそもギリシャに限らず古今東西、「火」には特別な力が有ると信じられてきました。
特に宗教では、「あの世を映し出す力」が有ると考えられていたようですね。
日本では神道に基づきお宮参りをしますが、その際、お宮参りして火を頂いて帰る儀式が有るのもその例でしょう。
加えて仏教の葬儀においては、人が亡くなった時には「枕火」を焚きますが、これも「火によって害から守られる」とされているからです。
つまり邪気や魔物から守ってくれるのが火の力なのです。
地球上には色々な葬儀や結婚式が有りますが、「火が外の世界から守ってくれる」という捉え方は、国を超えて共通しているようですね。
次回に続きます。