マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
お世辞とは、心にもないことを、気にいられるため、あるいは愛想のためにいう「世辞」に、丁寧語の「お」と付けた表現です。
家庭でも地域でも職場でも日常茶飯事に飛び交っていますが、どこまでがお世辞で、どこから本気なのかはよく解りません。
しかし、一概に否定しまうのではなく、良好な人間関係を築くための潤滑油と捉えて頂き、前向きにお世辞の技術を向上させるのもお勧めです。
ちなみに「お世辞」の反意語は「皮肉」ですが、皮肉を言われて喜ぶ人はいないでしょう。
その点「お世辞でも嬉しいです」ということは良く聞きますが、お世辞と解っていても嬉しいものですね。
しかし、言われる側は、お世辞か本音かを知りたいところです。
お世辞を言う時には、こちらは何気なく言ったつもりでも、相手は真剣に捉えることもあります。お世辞も相手に寄りけりですが、心にもないことは避けた方がいいかも・・・。お世辞にも思いやりが大切だということです。
加えて本気度にもよります。
褒め言葉に近いような感覚でしたら、一歩近づくか、身体を寄せればより効果的でしょう。
声の調子も大切です。
出来る限り抑えて、「ゆっくり」がお勧めです。
目をキチンと見ると真剣度がさらに増します。
「お世辞ではありませんよ」と、一言加味するのもお勧めです。
では、お世辞を言われたらどうしますか?
多くの場合は社交辞令として捉えればいいでしょう。
あまり深く考えない方がいいかもしれません。
しかし、相手がお世辞を言ってくるということは「気にいられたいから」という考え方もあります。
つまりコミュニケーションを望んでいるわけですから、何のために自分に近づいているかよく考えてみることも大切です。
そしてお世辞を言われた時の対応ですが、先ずは「ありがとうございます」がお勧めです。
でも、これで終わってしまったら少し寂しい気がします。
お世辞を言われたらお礼と共に、「お世辞を言い返す」ことが大切です。
つまり、褒められたら褒め返すのがお勧めです。
これでかなり、心と心の交流が図られます。
皮肉を言われて、皮肉で返しても結果は良くなりません
皮肉を言われても、褒め返すくらいの技量が欲しいものです。