マナーうんちく話266≪食文化と世界三大食法≫
【ナプキンの役割とマナー】
ナイフやフォークを使用するのは肉食が中心の国々ですが、最初は手で食べていました。そして肉を切ったり、突いたり、刺したりする小道具、つまりナイフやフォークが発達するわけですが、ナプキンは手で食べたり、ナイフやフォークを使用する際にも手拭きとして用意されたのが起源です。
つまり、和食の「お絞り」が手を清める役目であるのに対し、洋食の「ナプキン」は衣服が汚れるのを防止すると共に、手や口が汚れた時に拭くものとして用意されます。
格式の高い店ではリネン(亜麻)製のロゴや家紋が入ったものが提供されます。
また、生理用のナプキンと区別するために「テーブルナプキン」と呼ばれることもあります。
基本的には、ナプキンは汚していいモノです。但し、汚し方には注意して下さい。ティッシュと異なり、ナプキンは汚れたら、洗って再び使用するものです。
ちなみに、和食では「箸先5分・長くて1寸」が美しいマナーですが、ナプキンも同様で、汚れ具合が問われます。
「お里が知れる」という言葉はいずこも同じですね。
《ナプキンの使い方のマナー》
○使用するタイミングですが、基本的には自分の好きなタイミングで良いと思います。料理や飲み物が運ばれてくる前で、その場の空気を読んで下さい。
しかしケースバイケースです。
主賓や目上の人や女性がいる場合は、その人達が広げた後がお勧めです。
○ナプキンを二つ折りにして膝の上に載せます。
口や手を拭く時には、二重になっているナプキンの上側の、内側を使用すれば汚れが目立ちません。
○以前食べ物に口を持っていく「犬食い」の話をしましたが、ナプキンもしかりです。先ずは姿勢を正し、ナプキンを口に持っていくようにして下さい。
このポイントは大切にして下さい。
○食事中に中座するのは感心しませんが、止む終えない場合は、ナプキンを軽く折りたたんで椅子の上において下さい。「用事が出来て中座していますが、また戻ってきます」という合図になります。
○食事が終わった時には、軽く畳んでテーブルの上において下さい。どちらかいえば左側がいいでしょう。キチンと畳まないでください。
○この際、置くタイミングが大切です。皆がまだ食しているのに自分だけ先に食べ終わって、早々とナプキンを置くと「早く食べ終わって下さい」と、せかしているように思われます。
○ナプキンは二つ折りにして膝に乗せると、結構落ちやすいです。大抵の本には、「落ちたナプキンは自分で拾わないでサービス係を呼ぶように」と書いてありますが、これもケースバイケースです。公式の晩さん会等なら、そのようにした方がいいかもしれませんが、大抵の場合は自分で「失礼します」といって拾えばいいと考えます。但し、女性に囲まれているような場合は注意して下さいね。
ちなみに殻付きの海老や皮付きのマスカットなど、手で食してもいい場合は「フィンガーボール」が出てきます。
これは指の汚れを洗うためです。
先ず、フィンガーボールを左手前において下さい。次に、指先を片方ずつ入れて洗い、ナプキンで拭きます。
両手を一緒に入れないでくださいね。