マナーうんちく話604≪武士は食わねど高楊枝≫
2月の祭日は唯一2月11だけですが、正式な名称をご存知でしょうか?
「建国記念の日」です。
「建国をしのび、国を愛する心を養う日」として1966年に定められましたが「建国記念日」ではなく「建国記念の日」です。
日本の起源を祝日にしようとする動きは前からありましたが、日本の初代天皇である神武天皇即位の日を、日本の起源にしようとしたことがスタートです。
神武天皇即位の日を「日本が建国された日」として祝うことが「紀元節」で、庶民の間でも多彩な祭典が行われていたようですが、第2次世界大戦において敗戦を迎えるに当たり、GHQの意向で廃止されました。
しかし、いくら戦争に負けたとはいえ、建国の日が失せることは国民にとって耐えがたいことで、その後建国を記念する日の復活を望む声が高まり、「建国記念の日」が成立するにいたったわけです。
ところで、世界歴代最高齢は122歳ですが、神武天皇は何歳まで生きたかご存知でしょうか?
実は古事記では137歳まで生存しており、日本書紀では127歳まで生きたという記録があります。
ギネスもびっくりの長寿ですが、このような遺伝子が今の日本人の平均寿命を世界一にしたのでしょうか?
但し、考古学上の確証は有りません。
さらに本当に神武天皇が実在したか否かも定かではありません。
日本書紀では神武天皇の即位が、今の暦に直すと紀元前660年2月11日になっていますが、実在したか否かも解っていないのが現状では、建国記念日は制定できないと言う理屈が浮上します。
従って、歴史上の事実に基づく建国記念日とは別に、建国された事実を記念する日として「建国記念の日」になったいきさつがあります。
神武天皇が歴史上の人物ではなく「神話」として位置づけられているようですが、神話と言うものはあくまで崇高なものでないといけません。
だからロマンがあるのでしょう。
原爆を2回投下され多大な被害をこうむった日本で、今再び「原発」が動き始めた感があります。東日本大震災時の原発事故もまだ尾を引いたままです。
本来原子力は大変危険な要素を多々含むものであるにもかかわらず、1970年代になり「原発の安全神話」というものができました。
原発の安全に関して「絶対的なモノ」として、信じ込まれるように意図的に図られたものとしか私には思えませんが、この原発の安全神話はまた復活するのでしょうか?
核実験と事実上の長距離弾道ミサイル発射を強行した北朝鮮が大きくクローズアップされていますが、原発の強行もとてつもない大きな危険をはらんでいることは間違いないでしょう。想定外ですむ問題でもありません。
同じ日本に存在する神話でも「神武天皇」と「原発」ではあまりにも違いすぎます。2月11日は建国記念の日としての特別なイベントはあまりないようですが、ならば折角の建国に関する記念日です。
安全神話を色々な角度からもう一度考えてみるのも如何でしょうか・・・。