マナーうんちく話453≪冬来りなば春遠からじ≫
日頃から付き合いがある方も、遠距離のためなかなか会えない人にも、相手を思う気持ちや、自分の近況を載せて年賀状を送るのは良いものですね。
折角手間暇をかけて送るものだから、正しく、好感の持たれる内容に仕上げたいものです。下記の内容で「おかしい個所」を探してみて下さい。
新年明けましておめでとうございます。
去年はお世話になりました。
また、暮れには結構な御歳暮ありがとうございました。
今年もよろしくお願いします。
寒さが増してきますので、御身ご自愛ください。
平成28年1月元旦
【解説】
《賀詞に注意して下さい》
○「新年明けましておめでとうございます」は「明けましておめでとうございます」になります。
※年賀状は冒頭に、新年のお祝いの言葉である「賀詞」を最初に書きますが、「新年」も「明けまして」も同じ意味ですから重複しないようにして下さい。
また、「賀正」「初春」「寿」には相手を敬う意味はないので、目上の人や上司には不向きです。上司には「謹賀新年」等がお勧めです。
※「おめでとう」の意味は、「お芽出度う」に由来します。
新しい命の誕生と、息吹を表現するお祝いの言葉です。
《忌み言葉に注意して下さい》
○「去年」は忌み言葉ですから「旧年」「昨年」がお勧めです。
《お歳暮の御礼を年賀状でするのはNGです》
○「御歳暮」のお礼を年賀状でするのは感心しません。
お歳暮を頂いたら、頂いた時点で丁寧にお礼の気持ちを使えて下さいね。
○句読点は不要です。
相手に敬意を払う時は、「、」「。」はなるべく使用しないで書きます。
《正月に関する言葉の意味を正しく理解して下さい》
○「1月元旦」は「元旦」と書いて下さい。
※「元旦」とは新年の最初に迎える朝と言う意味ですから、あえて1月元旦とかけば重複します。また、日付を元旦・元日と書いたら、12月15日から25日までには投函して下さいね。
ちなみに、元日は1月1日のことで、1月1日から1月3日までを「3が日」といいます。
では元旦から7日までは何と言いますか?
「松の内」と言います。門松がある期間と言う意味です。
《差し出す相手により臨機応変に!》
さらにつけ加えると、最近子どもの写真や家族写真が多いようですが、差し出す相手との親密度を考慮される事をお勧めします。
カラスの勝手だと言われればそれまでですが・・・。
子どもの誕生や家族の幸せな様子を年賀状で伝えたいと思う人も多いと思います。勿論微笑ましい雰囲気を喜ぶ人も多いと思いますが、おくる相手によっては素直に喜べない人もいます。
賀詞にせよ、写真にせよ、差し出す相手により工夫を凝らすようにされたらいいでしょう。
《お正月の主役は歳神様です》
日本は子どもの成長を祝う行事が非常に多い国です。
お食い始め、お宮参り、七五三、入園・入学祝い、誕生日など等・・・。
そのような時は子どもが主役ですから、その写真を親族や親しい人に贈ればいいでしょう。
正月は歳神様(先祖)が主役であり、年賀状はどちらかと言えば相手に対する心配りです。
それでは、新しい年への希望を抱いて、せっせと年賀状の準備に勤しんで下さい・・・。