マナーうんちく話1032《大切にしたい「忌日」「忌み日」「忌み箸」「忌み言葉」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

現在は科学万能の時代ですが、今でも迷信や神頼みは生活の中に根強く残っていますね。

しかし、人々の幸福や不幸、日常生活全般が、目では見ることのできない神の力や霊力によって支配されていた時代には、神や霊の意思に従うことがよりよく生きる上で、最も大切なことであると信じられていたのですね。

現在のように、自由とか権利とか個性という概念は薄く、何事においても、常に「慎む」心を持つことが大切だったわけです。

その気持ちを表現した言葉が、現在でも生活の中に生きています。
「忌日」「忌み日」「忌み箸」「忌み言葉」等です。

「忌(いみ)」は日本人の精神的な生活において、大変重要な意義を持ち、「心身のけがれを避けて慎む」「心身を清浄に保つ」「人が死んだあと、その近親者が暫くの間他者との接触を断ち家に慎みこもる」「人が死んだあと、その近親者が受ける穢れた状態」「命日」「ある方向や日取りを避ける」等の意味を持ちます。

中でも、死の忌は、亡くなった人への追悼の意味で科学万能の現代社会にも根強く残っていますね。

「忌」に関連する言葉に触れておきますので参考にして下さい。

○忌日(きにち)
その人が死亡した日に当たる日。
毎年、毎月のその人が亡くなった日と同じ日付の日。

「命日」とも言います。一周忌、三回忌、七回忌、十三回忌等はこの命日が選ばれました。

また、各年の死亡した同月同日を祥月命日(しょうつきめいにち)といいます。
加えて、初七日より四十九日に至る、七日目毎の日の意味もあります。

○忌み日(いみび)
外出や仕事等をせず、身を守って過ごす特別の日のことです。

家を建ててはいけない日、旅行は避けた方がいい日、目出度いことを避けた方がいい日、等、身を慎んで災いを避けるようにする日等の意味があります。

かつては、親が亡くなった日や暦の悪日等を言いましたが、今では縁起の悪い日という意味でも使用されますね。

○忌み箸
食事の際、同席する人に不快感を与えないためにしてはいけない箸使いです。

日本人はこれにはとても神経を使い、渡し箸、差し箸、涙箸、逆さ箸、寄せ箸指し箸、違い箸等その数は80くらい存在します。

この数をみても、日本人が同じ食卓を囲む人に対して、如何に気配りをしたかが理解できますね。但し、これらをすべて覚えるのは至難の業です。

では、どうする?
「美しい箸使い」をすることです。

食べるという行為は、「頂きます」の言葉に象徴されるように、命があったものと真摯な態度で向かい合うことです。その気持ちが全て「美しい箸使い」にあることを是非ご理解下さいね。
人を判断する時にとても参考になります。

○忌み言葉(いみことば)
結婚式や葬式やお見舞などで発する、その場に相応しくない「縁起の悪い」言葉です。

昔は言葉には「言霊」が宿ると信じられていたので、このような言葉が生まれたのでしょうか。

その場に相応しい、思いやりのある言葉を選びたいものですね。

また、西洋では昔から「13」が不吉な数とされましたが、日本でも昔から数字にも縁起を担ぎますのでご注意ください。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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