マナーうんちく話986《人生を好転させる美しい食べ方②》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

【飽食の国・美食の国の貧しい食生活の実態】

世界屈指の長寿国になった日本。
でも、日本人の平均寿命は、終戦直後は先進国の中では最下位クラスでした。

それを持ち前の勤勉な性格でよく働き、経済を立て直し、世界に先駆けて医療制度を整え、医療技術を進歩させたりして平均寿命を長くしたわけですが、最も大きな原因は国民の栄養状態が良くなったことに起因します。

ところが、豊かになったお陰で、便利、手軽、美味しい、柔らかい等に重きが置かれた食生活になり、加工食品が占める割合が急増してきました。

こんな状況の中でも実は栄養失調があるわけです。
「なんで?」と首をかしげる人がいるかもしれませんね。

地球上には食べ物や飲み物に不自由している人が10億人以上いると結われる中、日本は食材の種類、色、カロリー、量は本当に豊富です。

しかし、ビタミンやミネラルや食物繊維等が不足している人が多々います。
だから、現代風の栄養失調が存在するわけです。

ところで、「鶏症候群」、別名「コケコッコー症候群」をご存知でしょうか?

最初のコは「孤食」、ケは「朝食の欠食」、二番目のコは家族がそれぞれ別の物を食べる「個食」、そして最後のコは好きな物しか食べない「固食」です。

さらに、うどんやパスタなどの粉製品ばかり食べる「粉食」、味の濃い物を好む「濃食」、食事を少ししか食べない「小食」、コンビニ等の戸外食に頼る「戸食」なども存在します。

みんな仲良く会話を楽しみながらする食事の在り方や、ビタミン、ミネラル、植物繊維の重要性や役割を正しく理解することが大切です。

明治維新後日本は軍隊を持ちますが、当時の日本人はまだ大変貧しく、ろくな物が食べられませんでした。

特に白米は庶民にとっては滅多に口に入りません。
そこで、海軍は「海軍に入隊すれば白米が腹いっぱい食べられるよ!」といって志願兵を募集したそうです。

それにつられて多くの兵士が志願し、念願の米の飯が腹いっぱい食べられるわけですが、多くの兵士は病気にかかります。

何の病気が解りますか?
「脚気」です。

当時の医学では原因究明は難しかったわけですが、今は違います。
健康番組も多く、健康に関する情報も溢れています。
問題は、意識して賢い食べ方、楽しい食べ方を実行するか否かです。

自己流のダイエットが身体に与える悪影響もしかりです。
日本人は世界の人から比べると、そんなに肥満ではありませんが、ダイエットに費やすお金は世界屈指だと言われています。

しかも若い女性ばかりではなく、あらゆる年代層に及んでいるのが気になります。食事の在り方と健康の関連性を大切したいですね。

また、このような食生活は同時に「心を通わせて食べる」ということを、ないがしろにしかねません。

このコラムで以前に触れましたが、共に食卓を囲むと言うことは「もっと親しくなりたい」という意味と、「さらに理解したい」という意味があります。

伴侶や家族や学校や職場の仲間と楽しく美味しく食事をするには、会話が必要です。話しながら食べることにより心がいやされるからです。

忙しいことや夫婦共働きに加えて、外食産業や総菜が充実しているせいか、「わかっちゃいるけど・・・。」になりかねませんが、常に意識することです。

「食」は生活で一番身近で有る以上、食べ方・食べ物如何で人生が変わります。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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