まなーうんちく話798《月々に 月見る月は 多けれど・・・。》
南北に細長い日本では桜の咲き具合も様々です。
既に葉桜になっている所も多いですが、開花宣言されたばかりの所もあります。
西日本や関東地方では、春を華やかに彩った桜が終わりましたが、畑では菜の花が咲きほころび、蝶が飛びまわっています。
菜の花と言えば食用にする植物全般を指しますが、特に種から質の良い油がとれる油菜を指すようになりました。
ところで、ユネスコの無形文化遺産に登録された和食には「一汁三菜(いちじゅさんさい)」と言われる伝統的な考えがあります。
本膳料理や懐石料理の基本的な構成にも成っていますが、ご存知でしょうか?
「汁物一品とおかず三品」と言う意味です。
但し漬けモノは数には含まれません。
○白米などの主食
○味噌汁や吸い物などの汁物
○主菜一品、副菜二品のおかず三品
○漬けモノ
以上のような構成です。
では、ここの「おかず」と言う意味をご存知でしょうか?
「おかず」とは、ご飯のような主食に付け合わせて頂く料理を幅広く示す言葉ですが、もとは女房言葉です。
女房言葉は室町時代頃から宮中や院に仕える女房が使い始めた、優美で上品な言葉を意味します。
頭に「お」を付け、丁寧さを表現したもので主として衣食住に使用されていたのが、江戸時代に入り武家を経て、広く庶民に広まったと言われています。
ちなみに、「おかず」は「数」に「お」が付いた物で、「御数」もしくは「御菜」と書きます。
早い話し、数をとり揃えなければいけないと言うことです。
菜は沢山あります。
昔は「菜」と言えば、野菜に限定せず、おかず全般を指したわけです。
一汁三菜はまさにその名残です。
私も沢山の野菜を作っていますが、普通野菜は花が咲く前に収穫します。
しかし多忙にまみれ収穫できなかったら、野菜は種をつけ子孫を残さなければならないので、いっせいに花を咲かせます。
そして、「梅に鶯」、「紅葉に鹿」と言われますが、菜の花と言えば蝶ですね。
菜の花畑に蝶が飛んでいる姿・・・。
何とも言えないのどかで平和な風景です。
大切に後世に残したいですね。
14日、福井地裁は高浜原発再稼働を認めないとの決定をしました。
物の豊かさや便利さの追求も程々にしないと、大変なことになりかねません。
まして日本は、国家としては世界最長の歴史を誇り、農耕生活をしながら、自然と共有してきた民族です。
加えて、平和な社会背景のもとで、自然や人に対する「思いやりの精神」をベースにした、世界に誇る礼儀作法を確立しています。
物質的豊かさや利便性の追求も大切ですが、次世代に伝えなければいけないものと、国際社会に発信すべきものが沢山あります。
季節の変わり目は何かと体調に変化をきたしやすい頃です。
一汁三菜のように、バランスの良い栄養をしっかり取って元気で活躍下さい。