マナーうんちく話873《阪神・淡路大震災とボランティア精神》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

阪神・淡路大震災が20年経過した節目に、防災に対する意識が高まり、自主防災組織があちらこちらで作られています。
素晴らしいことですが、これだけでいいのでしょうか?

これから私たち日本人は、どのように生きて行くか?
どんな社会を目指せばいいのか?
真剣に考える必要が生じている気がしてなりません。

日本は世界屈指の地震国ですが、恐るべき震災に適応できる完璧なマニュアル作りは無理だと思います。

ところで、阪神・淡路大震災が起きた1995年は「ボランティア元年」と言われています。

「ボランティア」という言葉を目にしたり、耳にしてどんな事をイメージされるでしょうか?

災害復旧活動、福祉活動等を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

日本では「お互い様」「助け合い精神」は根付いていましたが、ボランテイアに関する歴史は浅く、明確な定義がないまま月日が流れたと感じます。

元々はヨーロッパで、数百年前に「家族や地域を守る自警団に参加する人」のことを意味していましたが、やがて戦争や革命に参加した「志願兵」「義勇軍」などを呼ぶようになりました。

そして日本では、明治になり欧米諸国の多様な文化が輸入されるのに伴い、病院や学校や教会等を通じて、ボランティアの言葉が知られるようになりました。

その後、国が豊かになるにつれ、「労わりの心、愛と優しさ」を発揮することが、ボランテイアの基本であると考えられるようになったわけですね。

そして、阪神・淡路大震災の時には、被災者の元に全国各地から救援の人々が多数駆け付け、まさに渾身的な活躍をして、多くの人々を励まし、勇気づけたのはご承知の通りです。

この時に、日本のボランテイア活動が一気に加速し、1995年は「ボランテイア元年」と言われるようになりましたね。

では、今流のボランティとは何か?
それは、「報酬を得るためではなく、主体的に、労わりの心や愛と優しさを持って、自分の労力や知識等を他人や社会のために提供すること」です。

これが従来のボランティアの基本的な考え方でしたが、社会情勢は大きく変化しています。

それに伴い、ボランティア活動の捉え方や、あり方も変わってきます。
今までは「ボランティア=無償」でしたが、現在は「有償ボランティア」も珍しく無くなりました。

私も学校や地域等から、予算の関係で、ボランティアとしての講演を依頼されることがありますが、交通費を頂いたり、食事をご馳走になったりすることは結構あります。

マナーには不易流行の側面がありますが、ボランティアも、時代の流れと共に柔軟に変わっていくことは大切ですね。

アメリカはボランティアが盛んで、個人の評価として査定されたりするようですが、日本でもボランティア精神は非常に旺盛になって来た感があります。

この機会に始めてみるのもお勧めです。

そこで、次回はボランテイアに取り組むための「心構え」に触れます。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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