マナーうんちく話870《正月を片見おろせば小豆粥》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

正月、三が日、松の内、七草粥、鏡開き、に続き、1月15日は「小正月」で、
正月が半分過ぎたことになります。

「どんと焼き」「どんど焼き」「とんと焼き」、あるいは「左儀長」と呼ばれる火祭りの行事が、全国津々浦々で行われます。

このコラムでも取り上げましたが、正月を迎える準備として、門松を用意して、注連縄を飾るわけですが、これらは正月が終われば払わなければいけません。

私たちに、豊作、健康、長寿、子孫繁栄をもたらしてくれる歳神様をお迎えした縁起物ですから、燃やすのが礼儀です。
また「この火に当たると風邪を引かない」という言い伝えがあります。

また、小正月には「小豆粥(あずきがゆ)」を食べる習わしがあります。
1月7日の「七草粥」はなじみが深いですが、15日の小豆粥はご存じない方も多いと思います。

15日は正月が半分過ぎたので、
《正月を 片身おろせば 小豆粥》と江戸の川柳にあります。

小豆粥(あずきがゆ)は米と小豆を焚きこんで作りますが、「晴れの日」の縁起のいい食べ物で、美しいピンク色がつくので「桜粥」とも言われます。

と言っても、今では、ほとんど反応が無くなり、昔ほど風情が無くなりましたが、縁起を担ぐ人にはお勧めです。

小豆の赤い色は「邪気を払う」とも言われますが、この日に小豆粥を食べると、その年は邪気を払い、風邪をひかないと言われています。

さらに縁起を担ぐとしたら、この小豆粥を混ぜたり、食べたりする時には、柳の木を使用すると良いと言われています。
柳の木は、生命力が大変旺盛だからです。

ところで、西洋にはレディーファーストの文化があり、昔の日本には男尊女卑の風潮がありましたが、小正月は、正月に忙しく活躍した主婦に一息ついて頂く日でもあります。

だから「女正月」とも言われます。
日頃主婦業で多忙な生活をされている人は是非くつろいで下さい。
そのためには男性の協力は不可欠です。

今まで「晴れの行事」がオンパレードのお正月でしたが、今日の「ドンド祭り」「小豆粥」で、一応の正月行事にけじめを付けるとともに、浮き浮きした気持ちともお別れして、また明日からは日常の生活を元気でお過ごし下さい。

そして正月に年頭の誓いができなかった方、小正月の日にされるのもお勧めです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

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