マナーうんちく話521≪お心肥し≫
日常で頂く時のお茶は緑茶と言われ「日本茶」全般をさします。
休憩する時に飲むお茶、食事の時に飲むお茶、他家や他社を訪問した時に頂くお茶等色々ありますが、今飲んでいるお茶がどのようなお茶か?先ずは理解することが大切です。
日本人として、下記のお茶は是非ご承知おき下さい。
①玉露(ぎょくろ)
緑茶の最高級品で沸騰後60度位までさまして淹れます。
今は棒状ですが、今から200年くらい前に茶葉を露のように丸く炒ったことから「玉露」という名称がつきました。
甘みとコクのある味わいが楽しめます。
②煎茶(せんちゃ)
最も一般的な緑茶で、4月から5月にかけて摘んだ新芽や若葉を使用します。
70度から80度位までさまして淹れます。
お茶と言えば煎茶をイメージする位流通量が多く、程良い渋みと爽やかな香りが特徴です。
③番茶
食後に頂く場合が多いお茶で、煎茶を摘んだ後の2番3番摘みの葉です。
沸騰したお湯で淹れます。
摘む時期や品質など日本茶の主流から外れているから「番外茶」が「番茶」になった説と、遅く摘み取った「晩茶」が転じて「番茶」になったと言う説があります。
気取らず、飾らず、それでいて高齢者から子どもに飲みやすく美味しいお茶です。
「娘18番茶も出花」と言われますが、器量の悪い娘でも年ごろになればそれなりに綺麗に見えると言う意味で、品質では劣る番茶も入れたては、香りも良く美味しいと言う意味です。
④玄米茶
煎茶や番茶に、炒った玄米を加えて香ばしい香りを加味したお茶。
ではなぜ米を加えたのでしょうか?
正月に行われる「鏡開き」の時に、槌で餅を叩いて割るわけですが、その時に餅の屑が出ます。
この屑を捨てるのはもったいないですから、お茶の商ないをしている人がこの屑を炒って、茶葉に混ぜたのが始まりで戦前の話です。
あっさりとした香ばしい香りが嬉しいお茶です。
⑤ほうじ茶
煎茶や番茶を炒って独特の味付けをしたお茶。
今から100年くらい前に確立された製法で、番茶、玄米茶と同じ格で、高級茶とは言えませんが、苦みや渋みがなく、口当たりがあっさりしているのが特徴です。
お湯を注いだ瞬間の香ばしい香りをお楽しみください。
次に蓋つきで出されたお茶の頂き方に触れておきます。
前回お話ししたように、お茶を頂くと言うことは、おもてなしの心の表れですから、先ずは「頂きます」の挨拶が必要です。
1、茶碗の側面に左手を添えて下さい。
次に右手で蓋のつまみを持ち揚げます。
2、右手で持った蓋を約90度傾け、器の中で水気を切って下さい。
蓋を両手で持ち、茶碗の右側において下さい。
3、茶碗を右手で持ち、左手で支えて頂きます。
この時、右手は身体の胸と平行になれば見た目もきれいです。
但し、姿勢を正していることが条件です。
4、お茶を頂き終えたら、茶碗を茶卓に戻し蓋をしますが、この際両手で行って下さいね。
蓋をしたら「ご馳走様でした」の挨拶をお忘れなく。