マナーうんちく話788《和室のマナー⑦「茶菓の頂き方・出し方」》

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

堅苦しい挨拶が終わり、座布団に正座したらホットします。
ここで茶菓のもてなしを受けることになります。

茶菓を出されたら頂くタイミングが大切です。
主人から「どうぞ」と勧められたら、軽く会釈して「ありがとうございます」「いただきます」と言って頂いて下さい。

主人は相手がいかなる人であれ、茶菓を出す時は、よりおいしく頂ける状態でもてなしてくれますので、この際は、遠慮は無用です。

但し、相客がある場合は、上位の客が先に食べます。
上位客から勧められたらこの限りではありません。
「お先に頂きます」と言って、一礼してから頂いて下さい。

茶碗は両手で持ち、上半身をまっすぐ伸ばして、茶菓に口を近づけるのではなく、茶菓を口元まで運んで下さい。
此れが品の良い召し上がり方です。

絵模様がある茶碗は、模様の部分を避けて飲み、飲み終わったら静かに茶卓に戻せばいいでしょう。

ちなみに和室では、茶菓の頂き方より、出し方が難しいようですから、「茶菓の出し方」に触れておきます。

和室でお客様をもてなす場合は、相手がどのような人か注意して下さい。
お客様が特別上位の人であれば、茶菓を運ぶ時のお盆を、通常より、やや高めに持って下さい。

昔は「目通り」と言って、特別な人に出す場合は目の高さに捧げていましたので、それに倣います。
通常は「帯通り」と言って、帯の高さで持って運べばいいでしょう。

次に、お盆で運んできた茶菓は、そのままお客様のテーブルには置きません。
他に子卓が有れば、そちらに置きます。
子卓がなければ畳に置きます。

お盆は、できれば下座において下さいね。
入口に近い方や床の間から離れた場所が下座です。

ここで、お客様に茶菓を進めます。
茶菓は必ず両手を添えて出して下さい。

茶碗は正面がお客様に向くようにして下さいね。
この際、「熱いうちにどうぞ!」とひと声かけて頂ければいいです。
お茶は黙って出されたら、意外に飲みにくいです。

さらに、ゆずれない基本があります。
お菓子が左で、お茶が右になります。
左上位の原則です。
昔は甘味料が非常に貴重だったので、それを使用したお菓子が上位になります。

お菓子は出さなくて、お茶だけでも結構です。
但し、お菓子を出したらお茶は必要です。

そして、お客様が長居をされるようでしたら、40分から1時間経過を目安に、お茶のお代わりを出します。
別の茶碗に、新しいお茶を入れて、前の物を下げて出せばいいです。
お変わりの際は、お好みの飲み物を伺うのもお勧めです。

いずれにせよ、飲み物を出すと言うことは、単に喉を潤すことではなく、心を交流させることです。
恩着せがましくではなく「さりげなく」がポイントです。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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