マナーうんちく話521≪お心肥し≫
「華道」という素敵な文化を作り上げた日本では、四季を通じ様々な花を愛でることができます。春を華麗に彩る桜も良いですが、雨に打たれ凛と咲いている紫の花も格別ですね。
平成26年も折り返し点になりました。
この半年を振り返っていかがでしたでしょうか?
色々と考えさせられることも多かった気がしますが、残りの半年も元気で前向きに歩んでまいりたいものです。
「夏越の祓(なごしのはらえ)」の神事があります。
この半年間の罪やケガレを払い、残りの半年が健康で過ごせるように神様にお祈りする儀式で、茅(かや)で作った大きな輪をくぐり、厄払いをする「茅(ち)の輪くぐり」が有名です。
ちなみに「茅」とは、屋根をふいたり田畑の肥料や家畜の飼料などに利用される草木の総称ですが、昔から生命力が非常に旺盛で、病や災害を寄せ付けないと信じられていました。
七草の節句の春の七草、桃の節句の桃、菖蒲の節句の菖蒲など旬の植物にはエネルギーが漲っているから、病や災害を払うと信じられていましたがそれと同じです。
12月31日に食べる蕎麦を「年越しの蕎麦」と言いますが、12月の終わりに一年の災難やケガレをはらう儀式を「年越しの祓」と言い、6月の終わりに半年の災難やケガレを取り払うことを「夏越の祓」と言います。
今のように栄養状態や衛生状態が良くなく、科学も医学も発達していなかった時代ですから、災害から身を守り、健康を維持するためには、神や自然にすがるより方法が無かったのでしょうね。
だから、昔の人にとっては、季節・季節の節目の儀式は、現代人では考えられなかった位大切な物で、生活の拠点もここにあったか知れませんね。
今でも、一年の半分が経過した時点で、来る酷暑に備え、気持ちを引き締め、身も心もリフレッシュすることは大切ではないでしょうか。
お宮参りをされるのもお勧めです。
順番が異なりますが《和食のマナーの腕試し》、今回は「思いやりの心」に触れておきます。
マナーは、思いやりと感謝と尊敬の気持ちを抱き、それを言葉や態度や表情や文章で具体的に表現することです。
そして「思いやり」とは「二つの側面」があります。
一つ目は「他者に不快感を与えないこと」です。
例えば、無愛想に接するとか、いじめをするとか、悪口を言う等です。
子どもや部下がこれを行ったら、大人や上司は速やかに、その場で注意することが大切です。
二つ目は「他者に好感を与える」ことです。
前者より少し技術を要します。
例えば、笑顔で接する、目を見てキチンと話しを聴く、いい所を褒める、姿勢を正す、身だしなみを整える等で、これは大人や指導的立場にある人が率先して模範を示すことが大切です。
また、「思いやり」は、単に知識として身に付けるだけでなく、発揮することが大切です。
そのためには、レディファーストや先手必勝の挨拶や笑顔や人を褒めることを、恥ずかしがらず、かつ、出し惜しみしないことが大事です。
家庭でも職場でも、たった一輪の花があるだけで、そこの雰囲気は明るくなり、和みます。
誰だって、美しい花を見れば気持ちが良くなります。
残りの半年も、一輪の花のように、他者を気持ち良くさせるように、常に心にゆとりを持ちながら歩んでいきたいものです。