マナーうんちく話509≪「女しぐさ」と「男しぐさ」≫
6月21日は「夏至」。
一年で最も昼が長く夜が短い日で、これから本格的な夏へと暑さが増してきます。ご自愛ください。
そして、夏至の逆は「冬至」で、加えて、秋から冬にかけての長い夜を「夜長(よなが)」、短い夏の夜を「短夜(みじかよ)」と呼びます。
とても風流な呼び方だと思いますが、最近では夏至と冬至の夜にキャンドルナイトでスローな夜を楽しむのがブームになっていますね。
ちなみに、夏至と冬至では夜の長さが約5時間も異なりますが、今日はあいにく朝から曇り空で、その差が実感できそうも有りませんね。
現在は照明器具が発達していますから、夜の長さはあまり気になりませんが、昔昔「通い婚」全盛の時代は、恋人達は夜にデートを重ねていたわけですから、夜の5時間の差はとても大きく影響した事でしょうね。
前回の腕試しの解説になりますが、「世界3大食食法」に触れておきます。
現在地球上には約71億人が生活しており、命を長らえるために色々な形で食事をしますが、その方法は大きく分けて3種類あり、これを「世界三大食法」と呼んでいます。
「手食」「箸食」「フォーク・ナイフ・スプン食」に分類されますが、中でも一番多いのは「手食」で全体の約四割を占めています。
東南アジア、アフリカ、中近東などが主で、歴史的に見ても最も長い歴史を有します。
次は日本、台湾、中国、ベトナム等の「箸食」と、南北アメリカ、ロシア、ヨーロッパの「フォーク・ナイフ・スプン食」が同じで三割ずつになります。
但し、フォーク・ナイフ・スプン食の歴史は浅く、せいぜい200年位でしょうか。
では、なぜ食事の方法に違いがあるのかと言えば、各民族の食の作法、食べ物、調理方法、食材、それに宗教的要因が考えられます。
例えば、多くの国々で米を栽培していますが、日本人が食する米は粘り気がありますから箸が食べやすいです。しかし、手食の国で食する米はパサパサしているので手の方が食べやすいようですね。
さらに、箸食の中でも、箸だけで切る、掴む、運ぶ等全てを行うのは日本だけで、神様(神道)ととても深いかかわりがあります。
稲作を中心とした農耕文化や年中行事で栄えた日本では、米を始め農作物の豊作や健康や長寿を祈念する際、神様に海の幸や山の幸をお供えして神事を執り行います。
その際、神様にお供えする神聖な物を「直接手で触るのは神様に失礼だ」という考えのもとに箸が生まれたと言う説がありますが、これが「手食」の場合は全く異なります。
手食は、食べ物は神聖な物だから箸やナイフを使用せずに直接手で触れ、手で愛でると言う考えのようです。
「所変われば品変わる」という諺があります。
国や地域や土地が変われば、人情も、気質も、価値観も、考え方も、食べ物や着る物や習慣等も変わると言う意味で、西洋では「SO many countries、so many customs」と表現されます。
夏至の日は、北極に近い国では白夜を楽しむそうですが、日本では梅雨の真っ最中です。また、同じ日本でも夏至にタコを食べる地域も有れば無花果を食す地域も有るようですね。
自分の地域で作られた味噌が日本中で一番美味しいと自負することを「手前味噌」と言いますが、色々な地域や国の事をより理解して、色々な視点で物事を捉えることも大切ですね。
次回に続きます。