マナーうんちく話621≪八方美人は得か?損か?≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:人間関係を良好にするマナー

紅葉前線が南下してくると鍋料理が美味しくなりますが、冬の味覚と言えば「牡蠣(カキ)」の存在も忘れることができません。

「世界3大珍味」と言えばフォアグラとトリフとキャビアが思い浮かびますが、新鮮な生牡蠣にレモンを絞って食べるのは最高で、これに辛口の白ワインが有ればもうたまりません。

ちなみに、牡蠣を生で食べるスタイルは明治になって外国からもたらされた食べ方で、刺身の食文化がある日本では非常に珍しい現象です。

そして、日本ではハマグリと共に多く食された貝で、海の岩から「かきおとす」ので「カキ」の名前が付けられたわけですが、それがゴツゴツした殻に包まれているので「蠣」の漢字が使用され、加えて、全てが牡に見えるので牡蠣になりました。

また、様々な栄養素が多量に含まれるので「海のミルク」とも言われ、しかも低カロリーで美味で値段も手頃なので、これほど、世界各国の沿岸地域で好んで食べられている食材も珍しいのではないでしょうか?

ところで、誰に対しても、上手に振舞える人を「八方美人」と言いますが皆様は如何でしょうか?
八方とはあらゆる方向を示します。
つまり、どこから見ても如才のない美人の意味ですが、どちらかと言えば悪い意味で使用されます。

牡蠣は世界中の沿岸地域で好まれていますが、およそ、全ての人に好まれる人はまずいません。

クレオパトラ・揚貴妃・小野小町が世界三大美人と言われますが、この三人を全て美しいと思う人ばかりではありません。小野小町の代わりにヘレネを挙げる人もいれば、少し視点を変えて、自分の恋人や奥様でもいいですね。

フォアグラ・トリフ・キャビアも高級食材ですが全てが好きな人ばかりでもありません。私は、個人的にはキャビアより生牡蠣が好きです。

フグもしかりです。美味なゆえに昔の人は命がけで食したわけですが、世界から見れば愚かな行為に移るかもしれませんね。

人間も同じで、自分の周囲にいる全ての人から好かれようとしても無駄な事です。ではどうするか?

自分の周囲に100人の知人・友人・親族がいるとすれば8割から7割の人と仲良く接することが出来れば、上々だと捉えるべきだと考えます。

ちなみに、マナーの根幹をなす「思いやりの心」とは、他者に対して、不快感を与えないことと、好感を与えることです。しかし、不快に思う人や好感を得る人は全て同じではありません。

例えば、以前電車内でのお化粧を取り上げましたが、電車内でお化粧しているのを他の乗客がどのように思うかはそれぞれ異なります。有る人はだらしないと思うかもしれませんが、有る人は微笑ましいと感じるかもしれません。

しかし、8割から7割の人が不快に感じるなら電車内でのお化粧は控えた方が良いでしょう。

八方美人は、見ていてなんとなく落ち着きが無いように感じます。
また、当人も疲れると思います。
だから、他者に対して不快感を与えるから、結果的には人は寄ってこなくなり、良好な人間関係は築けません。最初から完璧を狙わないことが大切です。
なにをしても、好感を持たれない人の存在を認めることも大切です。

一方、美人に対して、容姿が劣る事を「ブス」と表現し、漢字では「附子」と書き、基本的には顔を指しますが、最近では「精神的ブス」、「性格ブス」と言う言葉も有るようです。

美味しいと言わない、挨拶をしない、笑顔が無い、陰気臭い、消極的、夢や希望が無い、人の話を聞こうとしない、感謝の心が無い、傲慢等、どんな人にも内面的なブスの要素はありますが、一つずつクリアして、素敵なマナーを発揮したいものですね。そして常に主体性を持ち、自分らしく、より善く生きていくことが大切だと思います。


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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