マナーうんちく話521≪お心肥し≫
今日、10月14日は、10月の第2月曜日、「体育の日」です。
東京オリンピックの開会式が1964年(昭和39年)10月10日に開催され、日本は金メダルを16個も獲得する輝かしい実績を残し、国民が勇気を頂き、多いに感動してから約半世紀になります。
そして、「国民がスポーツを親しみ、健康な心身を培う日」として、1966年から10月10日が国民の祝日である「体育の日」になりました。
10月10日に開催された「オリンピック」と言うスポーツの式典を記念して、制定されたわけですね。
では、なぜ10月10日に開会式の運びになったかと言えば、当時は10月10日と10月15日が晴れる確率が高かったわけですが、1964年は、たまたま10月10日が土用だったからです。
日本は1950年後半から高度経済成長期に入ったので、1964年の頃は高度成長期の真っただ中で、国民すべてがやる気満々だったわけです。
加えて、終戦当時の焼け野原から、不屈の精神で国を立て直し、復興して栄えている姿を、オリンピックを通じて全世界にアピールしたいという意向もあったようですね。
現在のように、便利で平和で豊かな日本は自然に出来たのではありません。
先人の絶え間ない努力のお陰で、今がある事に感謝し、改めて平和の有り難さをかみしめると共に持続させなければなりません。
そして、豊かになった日本では、さらに休日を増やし、より善い生活を謳歌しようとすることで、2000年から「ハッピーマンデー制度」により、現在の10月の第二月曜日が体育の日になりました。
ちなみにハッピーマンデーとは「HAPPY+MONDAY」で、国民の休日を本来の日付から、特定の月曜日に異動させ、土曜日、日曜日、月曜日が3連休にする制度です。
祝日の定める本来の意味は薄れる気がしますが、3連休が増えることでサラリーマンにとっては休日が増え、国にとっては経済効果が高まります。
と言うことで、今日は全国津々浦々、多彩なスポーツに関するイベントが繰り広げられていることだと思いますが、積極的に参加して、体を鍛えるのもお勧めです。
ところで、「健全な精神は健全な身体に宿る」という言葉をご存知だと思いますが、一般的には、身体と心は一つなので、身体が健康なら心も健康であるという意味で使用されています。また、この言葉は、古代ローマの詩人が作品の中で述べたのが起源とされています。
健康は自分自身への最高の贈り物です。
身体が健康なら気分の良い生活ができますが、不健康だと気分の良い生活は難しくなります。
また、心が健康で有れば幸せを感じやすくなりますが、心が不健康だと不幸を感じやすくなります。
「スポーツの秋」と「グルメの秋」で身体の健康を保ち、「芸術の秋」と「読書の秋」と「文化の秋」で教養を磨き、心豊かに過ごしたいものですね。
何もかも便利で豊かで平和な国では、身体を鍛えたり教養を身に付けることは十分可能です。
しかし、便利で豊かになり過ぎたせいで、我慢や苦労することに耐えられなくなった気がしてなりません。
賢くて、優しくて、丈夫なことは素晴らしいことですが、反面、精神面の弱さを感じます。だから沢山の矛盾が生じています。
「精神の力を発達さすのは悲しみである」と、20世紀を代表するフランスの作家プルーストは述べています。
スポーツで体を鍛え、辛いことや苦労を色々経験し、精神的に逞しくなれば、まさに鬼に金棒です。