基礎から指南!接客・接遇マナー22≪トラブル&クレーム対応②≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:接客・接遇マナー

前回、今後クレームは無くなる事は無い。むしろ増加傾向にあると申しましたが、ここで改めてクレームが生じる原因に触れてみます。

お客様はある目的と、多かれ少なかれ、それなりの期待を持って来られます。

目的が叶い、期待した以上の成果が得られれば「顧客満足」と言うことになります。さらに、程度により、「顧客満足」から「顧客喜び」に繋がるかも解りません。
こうなれば理想的で、「リピーター」や「ファン」になって頂けます。

次に、目的は叶ったけど、期待通りであり、可もなく不可もないという状態では、クレームが発生することは有りませんが、競合には勝てません。

さらに、期待してきたにもかかわらず、期待したよりかなり悪く、目的が叶わなかった場合は、トラブルやクレームが生じるケースが有ります。

勿論、全てのお客様が事を荒立てるわけではありませんが、次回は他店に行かれる可能性が強いです。

そして、大切な事は、前回もお話ししたように、トラブルやクレームが発生した時の対応の仕方です。

迅速かつ誠意ある対応をすれば、そのお陰で、お客様との間に信頼関係が生まれ、リピーターになって頂ける可能性だってあります。
また、お客様から頂いた情報が、今後に渡り貴重な資料にもなります。

しかし問題は、クレームが発生した時点で、適切な対応ができなかった時です。
適切な対応ができなかったら、お客様は信頼感が失せます。
その結果、不安感や不快感をさらに与えることになり、事は悪化します。

病気でも火事でも捜査でも初期対応が大切で、これが不味かったら、取り返しのつかないことにもなりかねませんね。
トラブルやクレームもしかりです。

ただ、病気・火事・捜査等における初期対応には、それなりの知識やスキルが必要ですが、トラブルやクレームの場合は、むしろ誠意だと思います。

ちなみにクレームの原因は、商品への不満と人的サービスのまずさ、さらには勘違い、情報不足などがあります。

そしてクレームが発生した時点で、対応が遅れたり、適切な謝罪の言葉が無かったり、責任を転換したり、職場やスタッフの言い分を通したり、お客様がキチンと納得できる説明ができなかったら「二次クレーム」が発生します。

商品に不具合が有りクレームが発生した場合は、謝罪して商品を取り換えれば事は収まると思いますが、人的サービスのまずさから生じるクレームは、どうしても感情論に左右されやすい面が有りますので、特に注意して下さいね。

人的サービスから生じるクレームは、何が原因か?お客様は何を望んでいるのか?などに、冷静に聞き耳を立てて下さい。
そして、不必要に感情に流されないようにして下さい。

また、クレームのように感じるが、実は、単なる質問の場合もあります。
例えば、レストランでは、先に注文したお客様より、後から注文された人の料理が早くできることも多々あります。

この際、先に注文したお客様から、「私の方が先に注文したのに、なぜ後から注文した人より遅いの?」と聞かれた場合、これは冷静に判断すればクレームではありません。

単に、料理が出るのが後先になったことへの、明確な説明を要求されているだけです。従って、その理由を解り易く説明することが大切です。
恐らく、注文を受けた時の言葉足らずが原因でしょうが、言葉足らずには注意して下さい。なお、この件は後日詳しく触れる予定です。

また、冷暖房に関する質問も多々ありますが、特にこのような場合は、曖昧な対応や「規則ですから」というような事務的、あるいは否定的な表現は避けて、
どうしたら状況を理解して頂けるか、前向きな表現を日頃からスタッフ全員で共有しておくことも大切です。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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