マナーうんちく話502≪会話の中に季節の話題を積極的に!≫
7月7日は「七夕」が前面に出て見過ごされた感が有りますが、実は二十四節季の一つ「小暑」でした。
そろそろ梅雨が明けて本格的な夏になりますよ!と言う頃です。
梅雨が明ければ、南風が一気に暑さを増します。
この風の事を「白南風(しろはえ)」と言います。
感性が繊細で豊かな先人は、風にも色を感じたのでしょうか?
ところで、梅雨明けと同時に、お中元が本格化されますが、これは所により違いはありますが、大体7月15日頃までが多いようですね。
そして、「小暑」から、「立秋」(25年は8月7日)までは、「暑中見舞い」を出す時期です。
四季が明確な日本では、暑い時期と寒い時期になると、日頃お世話になっている方や、親しくしている人の所に出向き、暑さ寒さをねぎらっていたわけです
しかし、遠くにいる人には直接会いに行くことができませんので、書状で近況伺いをしたわけですが、この書状も時期により若干違いが有ります。
小暑に至る前で、梅雨がしとしとと続いている時期には「梅雨見舞い」、梅雨が明けてから立秋までが「暑中見舞い」、そして立秋を過ぎたら「残暑見舞い」と言う形で差し出します。
蒸し蒸しする時期、暑い時期に相手の健康を思いやり、相手の近況を伺ったり、こちらの現況を報告する書状にも、細かい配慮がなされたわけです。
但し、最近では、梅雨見舞いは一般的ではなくなりました。
小暑になっても梅雨が明けてなければ、梅雨明けを待って暑中見舞いを出すのがお勧めですが、今年は、この暑さからすれば、今がその時期だと感じます。
また、暑中見舞いは、年賀状みたいに形にこだわる必要は有りませんが、やはり季節の挨拶状ですから、幾つかポイントが有ります。
ちなみに、季節の挨拶状のポイントは、「季節感を出す」「簡潔にする」「思いやりの言葉を添える」「近況も報告する」「結びの言葉と年号と月(日付)を添える」「相手の名前と差し出し人の名前を記入する」事が大切ですが、「差しだすタイミングを計る」「印刷の場合は手書きの一言を添える」等も大事です。
加えて、近況報告は、できる限り「明るい話題」がお勧めです。
また、拝啓のような「頭語」や、敬具のような「結語」は不要です
日付は、暑中見舞なら「平成25年盛夏」のように表現します。
残暑見舞いなら、「平成25年晩夏」、もしくは「平成25年立秋」のようになります。
立秋を過ぎれば、どんなに暑くても、暦の上では秋ですから、「晩夏」「立秋」の表現になるわけですね。
また、最後に「時節柄御身ご自愛ください」等の文面をよく見受けますが、「自愛」と言う意味は、「自分の健康状態を大切にする」ことですから、御身は不要だと考えます。
最近は暑中見舞いを出す人が少なくなりましたが、暑中見舞いを出していないのに、頂いたらお礼を出して下さいね。
これが大切です。
面倒くさがって、手紙や文章をあまり書かない人を「筆不精」と言いますが、季節の挨拶状は、手間暇をかけ相手を思いやるところに価値が有ります。
また、面倒くさがらずに、手紙や文章を小まめに書く人を「筆忠実(ふでまめ)」と言います。良好な人間関係を築くためにも、季節の挨拶状には筆忠実であってほしいものです。
何もかも便利になり過ぎた時代だからこそ、ひと手間加えることには値打が有りそうな気がします。