マナーうんちく話546≪箸使いに自信ありますか?②≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

●箸のタブー(嫌い箸) 
箸のタブーが存在するのは日本だけですが、皆さんは幾つご存知ですか?
約70ありますので全ては無理ですが、「逆さ箸」「渡し箸」はなるべく控えた方
がいいですね。

タブーとされる理由は、
1、共に食事をする人を不快にさせない。
2、縁起でもない。
3、命の源になる食べ物を「橋渡し」してくれる道具だから、心をこめて扱う。
 等で江戸時代に確立されました。
箸は日本人の心を映す鏡だったのですね・

●箸の格式
日本人は箸にも格式をつけました。順に
○祝い箸⇒強くて、しなやかで、それでいて強い生命力を持つ木とされている柳の白木でつくられた箸で、結婚式や正月に供せられる「祝い膳」を食するときに使用します。
両側が食べられるようになっており、子ども・大人、男女にかかわらず8寸の長さの「神人共食用」です。「柳箸」ともいいます。
また、この箸は一度使用すれば捨てるのが基本です。

○割箸⇒お客様をおもてなしする時には、まだ誰も使用してない割箸を使います。江戸時代になると外食文化が発達しますが、おもてなしの心を大切にして開発されました。
割箸こそ、日本を代表するもてなしの心の表れだと思います。
だから、割箸の割り方まで細かな作法が生まれたわけですね。

○個人箸(手元箸・塗箸)⇒それぞれ限定した人が使用します。
いわゆる「マイ箸」ですね。

マイ箸は、エコの王道のように思われがちですが、私はそうは思いません。
祝い箸も割箸も日本ならではの豊かな精神文化を有しており、再使用をしないので、その理念から行くと、祝い箸や割箸の方が、上位に格付けされてしかりだと思うわけです。

●品の良い箸の持ち方・扱い方
・下の箸に、薬指の先端と親指・人差し指の股部で固定します。そして上の箸を親指、人差し指、中指の3本で動かします。ポイントは下の箸を固定することです。
・箸全体の上部3分の1の所を持ちます。箸の上側は2センチくらいあけて下さい。
・箸を取る時は、1、箸の真ん中を右手で取り、2、左手を下から添え、3、さらに右手に持ち直す。この1、2、3の3拍子が美しい箸使いのポイントです。

・箸を置く時は「箸置き」に置くのが基本です。箸置きがないときは、箸先を小皿に乗せるか、箸袋で箸置きを作って置くのもおすすめです。
飲み物をいただく時や、話をするときにはキチンと箸を置いて下さいね・・・
・お椀は本来持ち上げるものですが、その時は、1、最初にお椀、2、次に箸を取るのが美しい所作です。

●箸を正しくもつと次のような効果が期待できます
○姿勢がよくなる。
○料理をきれいに食べる。
○料理を残さなくなる。
○食材や作ってくれた人に感謝の気持ちが湧く。
○ストレス教育になる。

また、食べては箸置きに箸を置き、また食べては箸置きに箸を置く事の動作の繰り返しにより、咀嚼回数が大幅に増え、その結果、健康に非常にいい効果がでるそうですよ。

さらに、子どもの成長段階における箸使いは、脳と手の発達に大きく貢献し、手先が器用になったり、落ち着きが出たり、性格が明るくなってきた等、素晴らしい効果が報告されています。

二回に渡り、箸についてふれてきましたが、正しい箸の知識や使用は、心豊かな生活を実現させてくれます。この夏ぜひ美しい箸づかいに挑戦してみては如何でしょうか?


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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