マナーうんちく話545≪箸使いに自信ありますか?①≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:和食テーブルマナー

子どもと食事をする時、あらたまった席での食事の時、デートや上司との食事の時、箸使いに自信が有りますか?

それでは、箸と器。
先に持つのはどちらでしょうか?

箸使いに自信を持っている人は、決して多くはないようです。
また、箸と器の持ち方・扱い方については、意外に間違った認識をされている方が多いのが現状だと感じます。

さらに、日本の箸には、非常に長い歴史を持つ豊かな精神文化が存在するわけですが、日本人でありながら、「箸に関する精神文化」を理解されている方は、非常に少ないのが現状です。

「生きることは食べる事!」です。
その食べ方には、世界で大きく分類して3通りありますが、日本は世界で唯一箸のみで食す国で、独特の精神文化を育んできました。
しかし、それが正しく認識されていないのはとても残念なことだと痛感します。

理由は、親が家庭で子どもに正しく教えない、もしくは教えられないからでしょう。学校でもしかりです。

国民が生涯にわたって、健全な心身を培い、豊かな人間性を育む事が出来るよう、食育を総合的かつ計画的に推進する事を目的として、平成17年7月に食育基本法が施行されました。

しかし、食育の分野でも、箸に限らず、和食の有するたいへん豊かな精神文化については、あまり触れられてないような気がします。

日本では、箸はもともと神様・仏様にお供えをするときに、使用され始めたのが起源だとされています。

従って、ことのほか美意識や礼儀・作法に重きが置かれ、IT万能の今でも、他人や自分の箸使いが気になります。

そこで、今までお話ししてきたことと重複する点もありますが、2回に渡り、箸に関する様々な「精神文化」と「品の良い礼儀・作法」をお伝えします。

●世界3大食法のひとつとしての箸食
 世界には「手食」「フォーク・ナイフ・スプン食」「箸食」の3大食法があり、そのうち箸食は3分の1です。
中国、朝鮮半島、台湾、東南アジアの一部と日本がそうですが、中でも日本は唯一箸だけで食べる独特の文化を築いております。

●箸の歴史
日本の食文化と箸は切っても切れない関係が有りますが、それは古来より、箸
は神様のより代、つまり神様を祀る祭器とされてきたためです。

つまり、農作物、特に五穀豊穣や家内安全、さらに子孫繁栄などを神様に祈念
する際に使用されたわけで、まさに、箸は神様と人との「橋渡し」的存在であったわけです。

だから、フォーク・ナイフ・スプン食や手食に比較して、より厳しい作法や格
式が定められているわけです。

ちなみに、日本で初めて、正式な食事会で箸を使用したのは聖徳太子だとされています。
また、庶民が今のように日本の箸で食すようになったのは、奈良時代の頃だとされていますが、詳しい事は解っておりません。
次回に続きます。










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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

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