マナーうんちく話417≪年賀状のマナー≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:歳時記のマナー

年の瀬が押し迫って来ると、いよいよ正月の準備ですね。
年賀状の準備に取り掛かっている人も多いと思います。

12月13日のコラムで触れましたが、昔は12月13日に「正月の事初め」がスタートし、それから、お歳暮のやり取りなどが行われていたわけですが、今は、何もかも商業ペースに巻き込まれ早くなっています。

加えて、日本全国クリスマス商戦で盛り上がっていますので、正月の用意はクリスマス以後になります。
しかし、年賀状はお早めにどうぞ!

「人の心が、年の初めに届く国。」
郵便局の標語ですが、ほれぼれするような名文句ですね。
でも、年の初めに届くためには、12月25日までに出される事をお勧めします。
受付は今日{12月15日(土)}からです。

ところで、年賀状は、そもそも年始の挨拶に直接伺えない人や、遠方の人への挨拶状でした。

そして文章も、「初春のおん寿ぎ(ことほぎ)目出度く申し納めます」とか、「あら玉の年の初めのおん寿ぎを心より祝いあげます」のように、大変古めかしい文章が使用されていたようです。
それだけに、いかにも「日本の正月」と言った、改まった感じが醸し出されます。

正月の捉え方も、時代と共にすっかり変わりましたが、年賀状も大変カジュアルになった感があります。

しかし、なんだかんだと言っても、年の初めの改まった挨拶ですので、ポイントをしっかり掴んで下さい。

以前にも触れましたが、賀詞である、「賀正」「賀春」「迎春」等の2字熟語は、敬意が含まれていませんので、差し出す相手が同僚とか目下の人になります。

上司や世話になった人には、「謹賀新年とか」「明けましておめでとうございます」等がお勧めです。

また、「新年明けましておめでとうございます」は丁寧なようですが、「新年」と「明けまして」が重複しますので、いずれかにして下さい。

「元旦」は「1月1日の朝」の意味ですから、「1月元旦」とはしないようにして下さいね。

さらに、多くの方が印刷されると思いますが、出来る限り自分の文章で一言添えられる事をお勧めします。

賀状を出さなかった人から頂いたら、松の内(1月7日)までに届くように出して下さい。
時期を逃すのは感心しません。
期間内に届くよう心がけて下さい。

いずれにせよ、ネット全盛時代に、一見不合理とも思える年賀状ですが、手間暇かけて、あれやこれやと悩みながら、相手の事を思いながら、差し出すことに年賀状の意義が有ります。

そして、年の初めに年賀状が届くには、郵便局のご苦労もさることながら、先ず、物質的に豊かである事、平和である事、温かい心が有ることが前提になると思います。

差しだす側も、受け取る側も、「感謝の心」を大切にしたいものです。



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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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