マナーうんちく話504≪あなたなら、どう答える?≫
忘年会のマナーに色々な角度から触れて参りましたが、今回は総仕上げです。
忘年会とは、一年の苦労をねぎらったり、忘れるために開催される宴会だと申しましたが、実は「忘年」は、「相手の知識や才能などを敬愛し、年齢を忘れて交流する」と言う意味も有り、「忘年の友」とか「忘年の交わり」と表現されます。
従って、忘年会の本来の目的は、互いに、一年間の苦労をねぎらい、肩書、年齢、性別などにこだわることなく、席を同じくして、和気藹藹と、なごやかに、楽しく接することにあると思います。
だから、新入社員だからと言って不必要に卑屈になることも有りませんし、上司だから偉そうに振舞えばいいものではありません。
くれぐれも勘違いしないでください。
ところで、開宴に当たっては、なるべく早めに会場に出向き、多くの人と挨拶を交わして下さいとお願いしましたが、この挨拶は比較的簡単にできます。
問題は、「お開き時」とそれ以後の「挨拶」と「お礼」です。
ここは、とかくおろそかになりがちですが、とても大切です。
開宴前や、開宴時の挨拶は、ほぼ全ての人ができます。
しかし、お開き時と、それ以後の挨拶は、出来ない人が目立ちます。
開演前の挨拶より、お開き後の挨拶の方が相手の心に大きく響きます。
特に、お開きになって、会場を出る時の挨拶は大切です。
開演時の挨拶は、大きな声で元気よく!がお勧めですが、別れ際の挨拶は、参加者全員に大きな声でするのは感心しません。
自分にとって大切な人に対して、一人ずつ、眼を見て、キチンと挨拶して下さい。この際、大きな声は不要です。
相手に好感を持たれる、別れ際の挨拶とは、相手の名前を呼ぶことです。
例えば、「平松部長、今日はありがとうございました。とても楽しかったです。今後ともよろしくお願いいたします」という具合です。
忘年会では、初対面と言うことは殆どないと思いますが、研修会等で、初めて知り合った人等に、相手の名前を呼んで別れの挨拶をすることは、とても好感を持たれます。是非実行してみてください。
そして、最も大切な事は、忘年会が終わった後のお礼の言葉です。
忘年会が終わった翌日には、再度、お礼の言葉や、ねぎらいの言葉を掛けて下さい。
この挨拶がきちんとできる否かで、その人の品格が出ます。
お礼の言葉やねぎらいの言葉は、言われた側にとっては心地よい響きですから、当日お礼を言ったから、翌日は必要ないということではありません。
出し惜しみしないで丁寧に述べて下さい。
キリン食生活文化研究所がこの程まとめた、忘年会に関する調査によると、今年の希望予算額は、一回平均で5403円だそうです。
5400円の会費を払っての忘年会で、大いに飲んで食べて、元を取るのも良いですが、どんな人と、どんな交流ができたか?で、参加した意義を考えてみるのもお勧めです。
そして、忘年会が終わった後に、心のこもった挨拶をして、人柄をアピールし、今後の交流につなげる事も、本来の忘年の意味に相応しい、元の取り方だと考えます。