マナーうんちく話456≪乾杯と献杯③献杯の意味とマナー≫
今回は、この時期になると、冠婚葬祭講座で最もよく聞かれる「喪中葉書を出す時」「喪中葉書を受け取った時」のマナーに触れてみます。
前回お話ししたように喪中葉書の趣旨は、「私は喪中ですから年賀状を出す事を失礼します」と言うことです。
従って、喪中葉書を作成するに当たり、自分とどのような関係に当たる人が亡くなったら喪中にするのか?さらにその期間はどの位になるのか?により大きく異なります。
例えば自分の親が亡くなった場合と、伴侶の祖父母が亡くなった場合は、色々な面で異なります。
また、年賀状は夫婦連名で出していたから、喪中葉書も連名で出すのか?
加えて、誰に出すのか?自分の親族だけに出すのか?友人知人、あるいは取引先まで出すのか?非常にややこしい問題が浮上します。
明治時代の初期に、当時の最高官庁として設置された太政官により公布された「太政官布告」により、故人との続き柄に寄り、喪中期間が決められていたようですが遠い昔のことで、今の日本国憲法にはそのような記載は有りません。
大切なのは、喪に服し、自主的に自粛すると言う気持ちで、むやみやたらに喪中葉書を出せばよいと言うことではないと考えます。
従って、柔軟に対応されることをお勧めします。
極論になるかもしれませんが、故人との関係により、身内には喪中葉書を、取引先には年賀状を出す場合もあり得るかもしれません。
文面は、宗派による違いは無いと思いますが、時候の挨拶と、喪中のため年賀状を失礼すると事と、来年もよろしくお願いしますと言う内容だったら良いのではないでしょうか?故人との続き柄はお忘すれなく!
次に喪中葉書を頂かれた場合です。
喪中葉書は毎年予告なしに突然送られてきます。
突然の訃報を知りびっくりしたり、悲しんだりされた経験をお持ちの方も多いと思います。
その訃報に接した時に、自分との関係次第で、落胆の度合いは当然異なります。
天寿を全うしたような人の訃報だったら、有る程度は心の準備ができていますが、昔世話になった恩師や上司が突然亡くなられた場合、さらに若い人なら、驚きや悲しみも深いものが有ります。
いずれにせよ、故人との思い出に心が揺れることが多いものです。
喪中葉書で始めて相手の不幸を知った場合は、それが例え一年近く経過していても、お悔やみをしていただいたら結構です。
故人との関係にもよりますが、電話、手紙、あるいは直接予約を入れて伺うこともお勧めです。勿論香典も遅すぎることは有りません。手紙と共に現金書留で送られても良いと思います。
加えて、年賀状のかわりに、松の内が明けてから「寒中見舞い」を出される方法も有ります。
ただし、葬儀に出席したり、既に弔問をすまされているのに、喪中葉書が届いたら、改めて返信する必要は無いと思います。
その人の人柄にもよりますが、丁寧に対応されたいなら、喪中葉書を頂いたお礼と、こちらからも年賀状を出すのを控えさせて頂くことと、元気で過ごして下さいね等の、思いやりの言葉を添えた葉書を出されるのも良いですね。
日本は世界が経験した事のない超高齢社会であり、少子社会です。
産まれてくる子より亡くなる人の方が多い、「少子多死社会」だということですね。
だからこそ、死に対して、色々な意味でキチンと向かい合っていかなくてはいけない時代だと思っています。そのようなこともあり、前回もお話した通り、日頃から宗教に関心を持ち、自分なりの考え方を確立される事をお勧めします。