マナーうんちく話362≪マナー美人⑯「グルメ」≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:マナーの心得

今年も稲刈りが大部分の地域で無事終わり、「新米」が楽しみの頃になりました。
ちなみに、その年に収穫された米を「新米(しんまい)」と言い、前の年に収穫された米を「古米(こまい)」と言いますが、新米と古米の区別は難しく、はっきりした定義はないようです。
あまり先入観を持たない方が良いかもしれませんね。


山や海の幸に恵まれる日本の秋。
食料自給率がわずか40パーセントでありながら、世界一の「飽食」「美食」に有り付ける、国と時代に生活できる幸せを改めて感じます。
しかし、豊かにはなったが、食べる行為に対し、多々ある矛盾には閉口します。

日本人のグルメ志向は、もはや半端ではありません。
テレビ・ネット・書物等など、グルメに関する情報は氾濫しています。
そのことは、何も悪いことではありません。
むしろ喜ばしいことです。

ただ、グルメブームの背景に有る社会現象には理解しづらい点が多く有ります。
今の時代は、マスメディアの力が大変大きいのが特徴です。
便利で、ありがたいことですが、それが過剰になって来ると矛盾が生じます。

例えば、味よりも、贅沢な素材がグルメの実態のような報道が多すぎる気がします。鰻、松茸・ふぐ、松葉ガニ、さらにキャビア・トリフ・フォアグラ等など、今のグルメの実態は、高価で贅沢な食べ物に有るようです。

日本は昔から、質素倹約を美徳とする「一汁一採」という献立がありましたが、今は贅沢が美徳になりました。

過度とも思えるコマーシャルの結果だと思いますが、大切な事は、高価でない食材にも沢山美味しいモノがあり、それらを真心こめて、美味しく調理できるか否かではないでしょうか?
加えて、それらを皆で、楽しく、和気アイアイと食すか否かです。

最近、水や食材にもブランドを気にする人が増えていますが、水道派の私はまったく気にしません。第一、水の味の微妙な違いは正直解りません。

米もそうですが、例え古米であっても、炊きたてなら充分美味しいです。
勿論、収穫したての米の美味しさは格別です。
しかし、新米の美味しさ謳歌するだけでなく、「いただきます」「ご馳走様」の心も、皆で共有することが大切だと感じます。

ちなみに、米には大きく分類して「ジャポニカ種」と「インディカ種」があり、日本では前者を生産しています。

さらに、日本のコメの調理はとてもユニークで、白米を洗米して炊飯して食べる方法です。このようにして炊きあがった米が美味しいご飯になり、焼き魚やみそ汁や漬物と共に食べる、日本独特の食スタイルが生まれたわけです。

ところでグルメ(gourmet)とは、料理の知識や味に精通している人で、主として贅沢な素材をふんだんに使用した高級料理店の料理を探求する人のようです。

これに対し、手頃な価格で味わえる庶民的な美味しい料理を、あえてB級グルメと呼んでいますが、食べ物をA級とかB級とかに分類すること自体が、おかしいと思いませんか?

高級食材の味に精通することも大切かもしれませんが、例えありふれた食材で、それが思ったより美味しくない料理にでも、食べることを楽しみ、楽しい雰囲気を醸し出される人はマナー美人で、本当のグルメだと思います。

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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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