マナーうんちく話499≪習慣は第二の天性なり≫
食べる喜びは世界中誰もが知っています。
一番幸せを感じる時はどんな時ですか?の問いに、「美味しいモノを食べている時」と答える人は多いのではと思います。
実際、人にとって美味しく食べられることは最高の幸せです。
そして、日本は四季に恵まれた、世界一の「飽食の国」「美食の国」です。
四季折々に、「味覚の王者」と呼ばれる海の幸・山の幸があります。
例えば、春の味覚の王者「竹の子」、夏の「鮎」、冬の「フグ」、そして実りの秋・食欲の秋の味覚の王者「松茸」。
ところで、茸類は美味しく、ダイエットにもよく、一部を除き安価で、栄養価も高いのですが、種類が多過ぎて、未知の部分が多いのが難点です。
しかも、毒茸が多いから、うかつには食べられません。
世界中には10000から20000万種、日本だけでも5000種の茸が存在すると言われておりますが、全てが解明されているわけではなく、まだ名前さえついてない茸が多いのが現状です。
その内、食用になるのは10分の1以下だそうです。
ちなみに世界中で一番多く食されている茸は、洋食によく使用されるマッシュルームです。
日本ではシイタケが最もポピュラーですが、なんと言ってもマツタケの魅力は格別です。平安時代には、貴族社会で「松茸狩り」の風習が有ったくらいです。
また松茸は、天婦羅、すき焼き、土瓶蒸し、吸い物等、食べ方は様々ですが、残念ながら、供給が少なくなり、簡単に口に入るモノではなくなりました。
だから、輸入物に頼るようになります。
今日本で流通している国産の松茸は、天然モノの鰻と同じように1割以下だそうです。
従って、値段の安い中国産、韓国産、カナダ産などの松茸が多いわけですが、「味シメジ、香りマツタケ」といわれるように、風味は国産が一番です。
参考までに、松茸の香りは傘が良く、味は軸が良いとのことです。
また、手でさいた方が香りは良く出るとされています。
そして、その香りですが、主成分は「マツタケオール」で、このような強い香りは世界中にもあまり存在しないそうです。
このように日本人にとっては、マツタケには希少価値があり、高級食材で、とても贅沢な味覚の王者という伝統的な認識があるので、本来のマツタケの魅力を超えて特に重宝されています。
さらに、一度嗅いだら心に沁みる独特の香りが、よりマツタケの魅力を醸し出しているようです。
しかし、外国人にはこのような認識は無く、マツタケ特有の臭いも必ずしも日本人のように受け無いと思います。
世界3大珍味の一つに「トリフ」がありますが、これも希少価値があり、とても贅沢な高級食材ですが、やはり独特の香りに価値観が置かれています。
松茸にせよ、トリフにせよ、気分的な要素が大きいですね。
人の心は不思議です。