マナーうんちく話324≪わかっちゃいるけど…。≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

朝夕の心地良い涼風に、秋の趣がひとしを感じられる頃になりました。
日本の秋は、夜に気温が大きく下がるため、日中の水蒸気が凝結し、露が生じやすくなるそうです。

9月7日は二十四節季の一つ「白露」です。
大気が冷えて露ができ始める頃ですが、「白露」とは、露(つゆ)が、玉のように白く輝いている様を言います。

ところで、朝夕ひんやりして、身体が元気になり、頭が冴えてくると、食欲がにわかに高まってきます。
日本の秋は、芸術、読書、ファッション、行楽、スポーツ等、様々な形容がつきますが、注意したいのが「食欲」「美食」との戦いです。

早い話、万病の基になる「肥満」との戦いです。
昔から、「ベルトの穴が一つ広がると、寿命が一年短くなる」と言われておりますが、最近は「腹囲の測定」が健康診断に加わり、注意を促しております。

そもそも、人類は何百万年もの間、常に「飢餓との戦い」であったのが、科学の発達で飢餓から解放されたら、今度は「肥満との戦い」で、なかなか思うようにならないのが常ですね。

肥満は見た目もさることながら、「高血圧」「糖尿病」「高脂血症」等の合併症が恐ろしいのはご承知の通りです。原因は、遺伝的要素もさることながら、「食べ過ぎ」と「運動不足」だと言われております。くれぐれもご注意ください。

「健康長寿」を促進するなら、先ずは肥満防止ですね。

しかし、これから美味しい食べ物がどんどん出回り、目の前に美酒とご馳走が並べば、「わかっちゃいるけど やめられない」です。

「わかっちゃいるけど やめられない」と言えば、昭和から平成にかけて活躍した、クレージーキャッツの植木等さんの、「ちょいと一杯のつもりで飲んで、いつの間にやらはしご酒・・・。」の歌詞を思い浮かべる方も多いと思います。

それにしても、世の中には、「わかっちゃいるけどやめられない」ものが多いですね。甘いものも、酒も、煙草も、ギャンブル等など。

私も、酒も、たばこも、マージャンも、競輪も、ボートも、色々と楽しみましたが、何時までもと言うわけにはいきません。問題は、どこで区切りをつけるかですね。これが実に難しいところです。

特に煙草は「百害あって一利無し」と言われますが、やめるのに多大な苦労が伴います。しかし、どこかで踏ん切りをつけなくてはいけません。
結婚したら、子どもができたら、管理職になったら、50歳になったら等など、自分流の区切りをつけられることをお勧めします。


良い・悪いは別として、人間、特に豊かな時代に育った人は、理屈のみでは行動せず、常に快楽を優先するところが多分に有ります。

「わかっちゃいるけどやめられない」。
この言葉は、意外に、人の本質をついているのではないかと思います。

日本には昔から、「腹8分に医者いらず」という、食べ過ぎを戒めた言葉がありますが、飽食の時代には、正直「わかっちゃいるけどやめられない」のが現状です。

一方「幸福は口福から」という中国の諺があります。
「わかっちゃいるけどやめられない」なら、せめて、野菜から先に食べるとか、良く噛んで食べるとか、楽しい会話と共に食べるとか、賢い食べ方を心がけたいものです。また、酒もたばこも程々が良いですね。





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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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