マナーうんちく話319≪心の豊かさ≫

平松幹夫

平松幹夫

テーマ:日常生活におけるマナー

内閣府が25日に発表した「国民生活に関する世論調査」によると、今後の生活で、「モノの豊かさ」と「心の豊かさ」のどちらに重きを置くかをたずねたところ、「心」と答えた人が64%になり、1958年の調査開始以来、最高になりました。

内閣府の担当者は、「人とのつながりを大事にするようになっているのではないか」と話しています。

人と人との絆が希薄化し、「孤独死」、「無縁仏」、「無縁社会」、「離婚」、「若者の早期離職」、「未婚化」等のキーワードが氾濫する時代に、当たり前と言えば、当たり前の結果だと感じます。

世の中には、物質的には恵まれていなくても、豊かな人間関係や、好きな事が出来て、「心の豊かさ」や「幸福感」に浸っている人も国も多々あります。

反面、物質的には何不自由なく暮らしている人でも、何時も孤独で、「心の豊かさ」や「幸福感」を感じとれない人も沢山います。

戦後日本は、民主主義や市場経済の浸透、及び科学の発達のお陰で、物質的な豊かさや利便性を手に入れ、そのお陰で、経済大国、技術大国、さらに長寿国になりました。大変素晴らしいことです。

しかし、その反面、心が失われ、自殺大国、離婚大国、飽食の国等のレッテルをはられ、多くの社会問題を抱えるようになり、幸福度も低下したままになりました。

人々は、これではいけないと思いだした。
どこかで軌道修正をしなくてはいけません。


ところで、「物の豊かさ」を手に入れるのは、比較的設計図を書きやすいところがあります。一流大学を卒業し、一流企業に入るとか、お金持ちと結婚するとか、拝金主義になるとか、金融商品に強くなるとか、手段はいくらでもあります。

さらに、物の豊かさは、目で見ることもでき、数字で表すこともできるので、目標も定めやすく、実感が湧きやすいのが特徴です。

しかし、心の豊かさは何ら基準もなく、10人10色なので、実感できにくい面が多々あり、増して、自分自身が心地よく感じなければいけません。
しかも、それが実現したら、嬉しくなくてはいけません。

では、心の豊かさを得るにはどうしたら良いか?
答えは、自分自身が、心の底から「嬉しく感じること」をイメージすることが大切です。

例えば、家庭・地域・職場等で良好な人間関係を築き、日常生活が大変充実しているとか、最愛の伴侶に恵まれ、楽しく朝食や夕食を共にしたり、旅行に行っているとか、あるいは最愛の伴侶や子どもに恵まれ、家族水入らずになっていることがイメージできれば最高です。

次に、そのイメージが実現するためには、何が必要か?

物質的な豊かさを手に入れるためには、経済学や会計学や金融論等が有効ですが、心の豊かさを得るには、素敵なマナーを身に付けることをお勧めします。

加えて、心の豊かさを手に入れるには宗教も大切です。

しかし、残念ながら、現実には、マナーも宗教も公立学校では教えませんし、認識も薄いのが現実ではないでしょうか?

戦後の教育は物の豊かさや便利さを手に入れることに重きを置いたようで、心の豊かさは軽視された感があります。

理想は「モノの豊かさ」と「心の豊かさ」が両立することですが、現実的には、どうやら相反するようですね・・・。
高度に発達した資本主義体制の中では、止む終えないことかもしれませんね。

個人的には、何事も程々が良いと思うのですが、如何でしょうか?


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平松幹夫
専門家

平松幹夫(マナー講師)

人づくり・まちづくり・未来づくりプロジェクト ハッピーライフ創造塾

「マルチマナー講師」と「生きがいづくりのプロ」という二本柱の講演で大活躍。「心の豊かさ」を理念に、実践に即応した講演・講座・コラムを通じ、感動・感激・喜びを提供。豊かでハッピーな人生に好転させます。

平松幹夫プロは山陽新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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