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コラム
マナーうんちく話205≪口は一つで耳は二つ≫
2012年2月22日 公開 / 2012年4月15日更新
世の中には「饒舌」な人もいれば、「寡黙」な人もいます。
すなわち、やたらに喋るタイプの人と、口数の少ないタイプの人です。
皆さんは、どのタイプでしょうか?
また、どちらのタイプがお好きでしょうか?
「人間は、口は一つなのに、耳は二つあるのはなぜだろうか?」、あるいは、「神様は人間に一つの口と二つの耳を与えられた」という諺があります。
色々な解釈が有りますが、概ね次のような意味ではないでしょうか。
○自分が一つ言ったら、相手の言うことを二つ聞きなさい
要は、「程々に喋り、しっかり相手の話を聞きなさい」ということですね。
○さらに、耳が二つある理由は、「一方の言うことのみを鵜呑みにしないで、必ずもう一方の言い分にも耳を傾けなさい」ということだと思います。
相手の話をしっかり聴き、それを理解し尊重することは、マナーの根源をなすものですが、現実には苦手な人が多いようです。
「相手の話をしっかり聴くことの大切さ」を、家庭では親が子どもにキチンとしつけ、学校では先生が生徒にしっかり教えてあげることが大切です。大人になって是正するのはなかなか困難だからです。
「饒舌」な人も「寡黙」な人も、それぞれ個性が有っていいと思います。
しかし、「相手の話が聞けない人」は、色々なタイプの人が存在しますが、いずれも褒められたものではありません。
例えば、「一つ聞いて二つ言う」タイプの人、すなわち相手の言い分は少ししか聴かず、自分の言いたいことばかりしゃべる人は、争いがおこり易いです。
さらに「聴く耳を持たない」ということになれば、最悪の場合、夫婦だったら離婚、国と国だったら戦争ということにもなりかねません。
テレビで討論会の様子を見ることが多々あります。
政治家、評論家、教育者、学者、経営者、芸能人などなど、多彩な人が登場します。テレビで中継される討論会などに出席するような人だから、さぞかし立派な方であろうと思いますが、「相手の話を聞こうとしない人」「自分の気が済むまでいくらでもしゃべり続ける人」等が結構います。これは聴いていて不快になります。
一方、自分の事は程々で、一生懸命相手の話を頷きながら聴いている人もいます。
こちらは、とても好感を覚えます。
神様が、人間に、口を一つ、耳を二つ作られたのは、「程々に喋り、しっかり相手の話を聞きなさい!」と諭して下さったからに他なりません。
当然、人の心の内は目には見えません。
だったら、人の話をしっかり聴き、その人の事を理解することが大切です。
会話は「話す」と「聴く」のほかに「沈黙」から成り立ちます。
しっかり聴き、程々に話し、僅かの沈黙が理想です。
日本には「おくゆかしい」という大変美しい言葉が存在します。
「あなたの奥」、すなわち「あなたの心の奥に行きたい」という意味です。
要は「貴方の事をもっと理解したい」ということです。
初対面の人と話をする時、聞き役に徹し、後になって、相手から「私ばかりしゃべって貴方の事が聞けなかった。また会って貴方の事を詳しく聞きたい」と思わせることが大切です。
コミュニケーションの基本は先ず相手の話を聞くことからです。
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